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"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

落部 (函館本線) 1988

otoshibe_22-Edit.jpg

森を過ぎた線路は、海岸線に迫る段丘崖と汀線との間の僅かな平地に路盤を求め、時には段丘に隧道を穿って通過して往く。この段丘は海成段丘であり、この噴火湾西岸域には海岸線とほぼ平行に5面の段丘面が認められると云う。
地質学上の名称とは不可思議で、通称としても定着したものが無い。研究者らが論文ごとに付名しているように見える。ここでは1978年の地質調査所北海道支所の石田正夫による報告に従うと、その5面とは海岸線寄りから、海抜30メートル以下の森段丘面、同じく20〜70メートルの落部段丘面、40〜120メートルの山越段丘面、そして80〜200メートルに達する野田追面に200メートルを越える境川面である。後者の2面は成立の時代から谷の浸食が進んでおり、段丘面としての平坦面を最早維持していないので、単に(かつての)面と扱われている。地形図からは内陸に続く丘陵地ないし山地としか読めない。
落部川の扇状地を挟んで海面への急崖を落とし込み、現在にかつての鉄道路盤を国道5号線が通過しているのは、もちろんに落部段丘面であり、そのすぐ背後、一段高く丘陵状に見えるのが山越段丘面と云うことになる。そして、石倉側でのイナウ岬先端と野田追の海岸平野に低く続くのが森段丘面であろう。森段丘面の離水がもっとも新しいのだけれど、それとて更新世と云うから人類誕生の彼方である。

落部の前後区間が古から鉄道屋を集めたのは、駒ケ岳を正面に噴火湾を望む落部段丘面に容易くポジションを取れたロケーションからに他ならないけれど、今に思えば、これに加えて石倉-落部間が1958年12月10日の海線への腹付による複線使用から、落部-野田追間が1960年7月5日に単線のままながら、共に自動信号が稼働していたことも事由のひとつだったろう。そこからは、単芯の通信線を幾本も装架した通信線柱、所謂ハエタタキが、この早い時期に一掃されていたのである。
キネ旬が発行していた「蒸気機関車」誌に見たものだったと思う(探せば見つかるだろうが、とても書庫を漁る気にはなれないで居る)。東野の駐車スベース、当時には複線化工事のバックヤードとしての役目終えたばかりの国道脇用地から、冬日の朝に逆光の白煙を引くD52蒸機を画角手前に後追いしたカットは、それは美しく、工事直後のせいもあろうが、広々とした空間が構成されていて、遠征初心者を誘惑するに十分だったと覚えて居る。

同じポジションに立ったは良いが、画角のトレースすら出来なかった新参者から十数年を経て、ここでは本州からの寝台列車群を迎えることになった。かつてには、いつかは実現するとは思いつつも夢物語に過ぎなかった被写体である。
写真は、6003列車<北斗星3号>。
個室式寝台車や食堂車が組み込まれるのは、このひと月ほど後のことで、B寝台者のみの短い編成を前提に第3落部トンネル出口寄りの立ち位置を選んで居る。国道から斜面を登っての位置は、海面からの比高40メートル程となり、まさに落部段丘面なのだろう。肝心の駒ヶ岳は蝦夷梅雨に煙る。


[Data]  NikonF3P+AiNikkor105mm/F1.8S  1/250sec.@f5.6  Fuji SC48 filter  Tri-X(ISO320)  Edit by LightroomCC on Mac.



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コメント

寝台なき後

11か月ぶりの復活、お待ちしてました。

こちらはというと、2013年に札幌勤務を終えた後仙台に4年いましたが、昨年札幌に戻ってまいりました。

寝台特急がなくなり、辛うじてDF200貨物を狙おうと思いつつもモチベーション上がらず道南へは1年間で2~3度行った程度です。

北海道在住もおそらくあと1年、何とか公開なく撮っていきたいものです。

どこかでお会いできることを期待してます。

  • 2018/08/13(月) 22:00:32 |
  • URL |
  • パンダの運転手 #-
  • [ 編集 ]

Re: 寝台なき後

コメント、ありがとう御座います。
全くその通り。相変わらず通ってはいるものの、道内の鉄道は本当に面白く無くなりました。
味気無さを遙かに越して、虚しいばかりとでも申しましょうか。
釧路なり帯広の空港から、こっそりと出入りさせて貰っています。

  • 2018/08/13(月) 23:10:57 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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