"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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上野幌-西の里信号場 (千歳線) 1998

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再々で恐縮ながら、広島街道である。
それが野幌丘陵を超えるところの「西の里」の地名は、1935年に広島村の字名を整理改称した際、「北の里」「南の里」に「東の里」と共に新たに起こされた字名である。それは、取りも直さずに広島開墾地の1894年に成立した広島村の中心集落としての順調な拡張に、村内四方に集落をともなった農地開発の進展していたことを示している。「西の里」は、それまでの字名、野幌と下野幌を併せた地区への付名であった。

野津幌官林と呼ばれた原生林が広がっていた野幌丘陵の現西の里地域への最初の入植は、そこがまだ月寒村域に属していた1889年のことで、現在の上野幌駅近く野津幌川沿いの山根橋あたりとされている。この頃、野幌丘陵を越えて長沼低地側と札幌開拓使を結ぶ道路は1873年6月に開通した札幌本道しかなく、月寒村内は島松から輪厚・大曲の経路であったから、ここでは交通路・輸送路としての川筋が選ばれたのは当然と云えよう。
一方、1884年以来に中丿沢原野で進められた広島団体による開墾は、稲作の成功に入植者の1000人に迫ろうと云う模範的開墾地となって、これの優遇されたものか、1890年に現中の沢付近から丘陵の東西稜線に沿って直接に札幌開拓使に至る札幌道路が開削されたのだった。これが後に広島街道と呼ばれた現在の国道274号線である。
この道路は現西の里地域を横断したゆえ、そこへの入植は以降に本格化し、広島村成立後には100戸ほどの入植が進んだと「広島村史」(1960年広島村)は記述する。なるほど、「風雪百年-西の里郷土史」(2000年西の里開基百年記念事業実行委員会)に所載の1900年代初頭頃とされる開拓者分布図を眺めれば、札幌道路沿いと野津幌川の低湿地に入植者の名がずらりと並ぶのが見て取れる。
丘陵地ゆえに水利や低温、強風など営農の労苦は尽きなかったに違いないが、物流の交通路を持ち得たことで入植は促進され、広島開墾から続く定住の進んだ沿道には千歳・恵庭方面からの荷馬車も多くは札幌本道ではなく、この道路を通行したと云う。それが商店や茶屋を呼び込む好循環を生んだとも記録には読める。

だいぶ遅れて野幌丘陵を越えたのが、1926年8月21日開業と記録される北海道鉄道(2代)の札幌線であった。広島開墾地への人口集積に、此の鉄道は島松から北上してそこに北広島停車場を開き、左転してまもなくに野幌丘陵に取り付くのだが、札幌道路とともに急坂を上る訳には往かず、その南方で丘陵南北稜線の鞍部を隧道を掘削すること無く越え野津幌川左岸を下る経路を選んでいた。道路沿いに開墾が進んでいたとは云え、その背後にはまだまだ原生林が続いていたから、それを切り開いての建設であった。西の里の開墾区域と標高差30メートル程の原生林内の通過にはそこに停車場を持つことは無く、以来国有鉄道千歳線を経ての現在まで西の里は鉄道の通過しながら、それとは無縁の地区である。
早くに開通した道路により成長して来た地域なのだが、札幌圏の拡張にともなう農地を転用しての宅地化は、1973年に上野幌停車場の移転した札幌市厚別区側に見られる程度であり、それも1990年代に至ってようやくのことであった。せっかくに設置しながら遊休化している西の里信号場は存在するものの、周辺に開発用地を持つでもない北海道旅客鉄道にこれを旅客駅化するインセンティブは働きそうに無い。

千歳新線が切通しで通過する施工基面高63M00の最高点をR=1000M曲線で左転して往く8001列車。新緑が照り返す。
画角としての既出はご容赦願いたい。此処では、電車線の被らぬ位置まで切通しを降りるのを定番にしていた。
10パーミル勾配を力行してきた2台の機関車は農場橋の真下でノッチオフする。電車列車に互するとまでは云い難いが、それに追い着かれまいとする走りだった。
ところで、近年この位置に「西の里」と進行方向の信号場名を記した標識が建植された。実を云うと、これが何と呼ばれる標識なのか旧い鉄道屋は知らない。停車場接近標識なら橙黄色の矩形板に対角線方向の黒色線のはずで、何より場内信号機の設置されない停車場への標識である。けれど、同停車場場内信号機から外方600メートル位置は代用閉塞施行に備えての設備とも推定され、ならばこれも停車場接近標識として良いのだろうか。正解をご存知の識者のおられれば教えを請いたい。

[Data] NikonF3P+AiNikkorED300mm/F2.8S 1/500sec@f4 PLfilter Ektachrome Professional E100SW [ISO160 / 0.5EV push] Edit by PhotoshopCC on Mac.

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