"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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長和 (室蘭本線) 2008

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河川を横断する「頭首工」なる構築物の名称は、水路システムの先端に在って水圧を受け取水を働く部位を指す英語名 Headworks の無理矢理感溢れる和訳と云う。
取水設備として特に独自の形態を持つでなく、基本的にゲイト水門を持つ取水堰と取水設備からなる施設の総称に違いないのだが、その取水目的が農業用灌漑向けに限られるものが呼び分けられ、これは農林水産省においての専門用語とされる。河川中の施設であるから、その設置や設計・建設・施工、運用など国土交通省の定める各基準への準拠を当然に求められながらも、農林水産省の管轄となる。直接の管理も多くは『土地改良法』(1949年6月6日法律第195号)に基づいて設立の土地改良区が当たり、中には農林水産省直轄によるものも少なく無い。
発電用などの取水堰が堤高から『河川法』(1964年7月10日法律第167号)の規定するダムには該当しないにも関わらず、しばしばダムを名乗るに対して、堤高の16メートルを越える堂々足るダムでもそれを名称とする事例は希有である。設備をあくまで取水装置の総体、即ちHeadworksに見て堰単体では無いからなのだろう。中には堰を持たない取水口設備のみの施設も存在し、これも頭首工と呼ばれる。
その機能と運用の基本は、当然に河川水位を導水路より堰上しておくところに在り、洪水調節をも担うダム設備とは根本的に異なる。これらが突破的豪雨の多発する夏季には敢えて水位を低下させているのに対し、頭首工は水需要の大きい夏に最高水位を保持する。従って通常にはゲイトを閉じて自然に越流させている運用がほとんどなのだが、豪雨には直ちに開門しての放流を要し、また導水路への過大な補給を避けての水路水門の調節措置など独自の管理手法が存在する。

噴火湾へと注ぐ河川に在っては、流域に水田地帯の連続する長流川に3基の頭首工が設備されている。伊達市域の館山下頭首工、上長和頭首工と壮瞥町内の下立香頭首工である。道央自動車道や国道37号線に室蘭本線が通過する下流域の平野に通水しているのが、1967年に竣功の館山下頭首工に上長和頭首工であり、長流用水の名でそこに広がる水田地帯の約800haを潤している。米軍が1948年に撮影した空中写真には水田に混じっては畑作地の多くも見て取れ、長流用水はその転換に資したのであろう。
ところで、これら頭首工には永く魚道の設備されることはなかったのだが、近年の自然保護意識の浸透により2001年度までに追設工事が施工された。主にはサクラマスの遡上促進のためと聞いている。

礼文 (室蘭本線) 1996 にも書いた「北海道までやって来て稲作風景でもなかろう」との意識は、実は今でも抱いている。それとは相反するけれど、随分に高名となった長和の水田地帯を見下ろすこの位置も、要するにはそこが圃場と知れなければ良いのである。必然に刈入れの痕跡すら消滅する春先に立つことになった。
写真は、光線の程良い時間に走ってくれた8002列車。
景観に列車の存在を際立たせる深い屋根からの反射光は、それを銀色に塗っていた宮原区の編成ならコンテに計算出来た。

[Data] NikonF5+AiNikkor105mm/F1.8S  1/500sec.@f8+1/3 NON filter  Ektachrome Professional E100G [ISO160 / 0.5EV push]   Edit by LightroomCC on Mac.

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