"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

有珠-長和 (室蘭本線) 1996

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柴田踏切へは最寄りの有珠駅から凡そ30分から40分と云うところである。その道筋は徒歩の鉄道屋としては面白く無い部類に入る。四半世紀ばかり前に小さく建替えられた待合所を出て、自動車通行の激しい国道37号線を延々歩かねばならず、一部区間には歩道も無い。少し前までシーズンにはスイカやメロン、イチゴなど周辺農家の直売所が軒を並べていたものだが、近年にはめっきり数の減ってしまい変哲の無い風景が続く。目印にしていた有珠中学校も2010年3月末日を以て廃校となり、跡地は伊達市によりサッカーフィールドに転用された。道南バスの中学校前停留所は「まなびの里公園前」と変えられていたから、国道南側に造られたパークゴルフ場ともどもそう呼ばれる施設なのだろう。
そこから右に折れる直線路は、その先の踏切名称から推察するに南浜通りと呼ばれるらしいのだが、地元の人ですら知らないだろう。東有珠川の小さな流れの両岸をコンクリートブロックに固めた水路への改修時に、これも埃っぽいだけの砂利道に直されたものらしく、歩いてもちっとも楽しくは無かった。しかもアスファルトで舗装された最近には余計につまらない。南浜通り踏切手前で左折すれば、ようやくに線路沿いの田舎道となるけれど、もう柴田踏切は目前である。

長万部近傍の反向曲線区間での1・8001・6003列車と並んで柴田踏切での8002列車撮影には、16時12分過ぎだった通過時刻の季節に遷り往く太陽高度と方位を求めて幾度も通ったのだった。
暮色近くの低く弱い斜光線が、エントモトンネルからのR=600M曲線を旋回する重連の機関車とススキの野を黄金に染めるごとくの最適な光線は、机上の計算から10月20日前後のせいぜい一週間と知れるも、西の低空に雲を生じない条件に巡り合うに数年を要したこともあるけれど、夏の季節の強烈な西陽も春浅い頃の枯れ野の風景も、また楽しめたのである。

写真は、初秋の澄んだ大気を旋回して往く8002列車。列車を待つ身には、そろそろ日暮れ時の冷気も感ずる季節である。
まもなくに陽も没すれば、暗い帰り道をトボトボと中学校前のバス停までを歩いて、一日の空腹感を抱えながら特急の停まる洞爺なり伊達紋別へのバスを待ったものが、数年前のこと、直近にロードサイド店舗のセイコーマート南有珠店が開店して、取り敢えずにそれを満たすことは出来るようになった。これが、駅前の商店もハイヤーも無くなってしまったここでの唯一の福音だろうか。

[Data] NikonF4s+AFNikkor180mm/F2.8ED 1/125@f4 C-PL filter PKL Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

[お詫び] 未だに多忙より脱せず、更新の滞り気味なことご容赦下さい。

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