"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

礼文 (室蘭本線) 1995

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寿都郡と虻田郡を隔てる低い分水嶺南斜面を水源に、礼文華海岸の河口まで延長8.4キロを流れ下るのが礼文華川である。
源流部の無名水流も含めて9本の支流を集めるが、北海道の管理する二級河川への指定区間は上流の大規模な砂防堰堤のさらに上流に位置する堰堤を始点とした本流の5.2キロ区間とされている。
この延長は1962年から65年に架けて直線化の河川改修の施工されてのことで、戦後まもなくに米軍の撮影した空中写真には緩やかな傾斜を激しく蛇行する様子が捉えられ、特に最下流域は出水の度に流路を変えていた痕跡の見て取れる。現在にも礼文郵便局裏手から河口付近に続く水路は、かつての流れの名残である。

勿論に鮭鱒の遡上した川であり、古からここに暮らした先住民族は repun-ke-pet (レプンケペト)と呼んだ。「沖へと向かう川」とは川底傾斜の関係からか河口部の干満差が大きく、潮の引けば強い水流の生じたことに由来するのだろう。転じて所在した小集落(コタン)の名となり、幕末期の1808年から11年に刊行された「東蝦夷地各場所様子大概書」には、アプタ場所のレプンケとして27戸119人の居住が記録されている。
その詳細な位置は調べ得ていないが、1798年に場所運営の拠点である会所も置かれて以降に進んだ和人の居住地は、礼文華川氾濫原を避けた東側の山裾であった。ここが開拓使の時代以降に礼文華の市街地に発展し、1928年に至ってようやくに開通した鉄道の停車場は、その西側の原野に開かれたことになる。

1960年代に行われた前述の砂防堰堤設置や河川改修は鮭鱒遡上の阻害要因となり、時を同じくして漁協による孵化放流事業も取り止められると、礼文華川は永らく鮭の遡らない川となっていたのだけれど、2003年に至って魚影の確認が報告された。おそらくは迷い鮭の一群だったのだろうが、その後に自然増殖の定着を見るまでになる。工事からの経年にて生態環境の復旧し、墓場の沢や下の沢など手つかずの源流の残されていたのも事由であろうか。内地の河川など資源放流を繰返してもそれに至らない事例の多い中では、本来の遡上河川ゆえの復活と云えよう。小河川には微々たる遡上数であるせいか、今のところ河口両岸、沖合共に禁漁など保護の網は掛けられていないようである。

雪煙を蹴立てて礼文華川橋梁(l=30M)に差し掛かるのは6003列車<北斗星3号>。前日来の降雪の朝に降り止んでこその光景と云える。
EPLは控えめな発色に好きなフィルムだったものの、ISO400の感度には画質に難のあって使用を諦めたのだけれど、ディジタル画像となれば処理の呆気なく心境複雑である。
機関車次位にマニ24が見える。本州北海道間列車の電源車需給不足にマニ50から改造された珍車は、東日本旅客鉃道と北海道旅客鉄道が相互に受持った、この6003・6004列車([尾21・22][札4・3]運用)にほぼ専用されていたと記憶する。再々の画角はお詫びする。本当にここへは幾度も立ったのである。

[Data] NikonF4s+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/250sec@f11 Fuji CS39filter EPL Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

脚回り

こんにちは。
今年もよろしくお願い申し上げます。

ワクワクするような雪煙ですね。
また、これ程の積雪ですので撮影地までスニーカーでの登攀はまず無理と察しますが、どのような脚回りの装備でしたでしょうか。
私も年末に飛騨小坂駅俯瞰(後日公開予定)を撮るべく積雪凍結斜面を上りましたが、日頃の里山登山に用いている軽アイゼンが役に立ちました。

  • 2015/01/04(日) 15:23:27 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

Re: 脚回り

こんばんは。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

重い機材を背負って歩きますもので、足元は登山靴です。
無雪期は軽量のトレッキングブーツですが、積雪期は保温も加味してマウンテニアリングブーツにロングスパッツを巻いています。
雪の斜面の登坂はワカンです。スノーシューと往きたいところですが、徒歩の鉄道屋には、長さの在るそれが運べないのです。
軽アイゼンは、寧ろ凍結した路面を駅へと急ぎ歩き用だったりします。

  • 2015/01/05(月) 01:48:21 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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