"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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初田牛 (根室本線) 1971

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国有鉄道における業務委託駅の嚆矢は、アジア太平洋戦争戦時下の『陸運統制令』(1940年2月1日勅令第37号/1941年11月15日勅令第970号にて改正)に基づく私設鉄道の買収に起因する。1943年8月1日付で戦時買収の現飯田線を構成する私設鉄道4社に所在して、会社がその業務を外部に委託していた計20駅の非直営駅を委託契約そのままに引継いだ結果であった。
これら20駅は何れも閉塞を扱わない所謂棒線駅であり、乗車券類販売を外部業者に委託していたのである。この国有鉄道線に想定していなかった停車場の運営形態に、鉄道省はジャパンツーリストビューロ(JTB)での乗車券類代売が対象であった「乗車券類委託販売規程」(1942年5月1日鉄道大臣達第267号)に条文を付加して対応したのだった。
ただし、この時点では「業務委託駅」と云う明確な概念は存在しなかったと思われる。

戦後に多くを抱えることとなった地方非採算線区の運営に苦慮した日本国有鉄道(以下国鉄)は、そこでの駅業務の簡素化、要員の削減に飯田線の例に倣っての業務委託の導入を方針とするのだが、同時期に自動車線駅の駅務全てを受託させる組織として日本交通観光社(以下日交観)の設立が国鉄主導にて進み、またジャパンツーリストビューロを改めた日本交通公社以外にも乗車券類の代売を認める動きの在ることに鑑みて、前記「乗車券類委託販売規程」を改正、1954年9月に公示として「乗車券類委託販売規程」(1954年9月9日国鉄公示第262号)を、総裁達として「乗車券類委託販売細則」を制定し、そこでは駅務の委託と乗車券類の委託販売は明確に区分されるところとなった。
調べ得なかったのだけれど、この際に「営業線等管理規程」などの規程類や基準規程に停車場業務の委託が明文化されたものと推定する。国鉄の定員を置かずに停車場業務の一切を外部に委託した個所を「業務委託駅」と規定したのであった。よって、飯田線に始まる事例以降は全てこれに含まれた。
けれど、運転保安上から閉塞扱や貨物扱の在る停車場の受託者には、訓練された国鉄からの出向者やその退職者が在籍した前記の日交観のみに限られていた。これは国鉄の内規であったろう。
ご承知のとおり、列車運行図表に業務委託駅は、停車場名に左半円を塗りつぶしたマル記号を付して表示されるが、日交観の受託個所にはそれの省略されていた。業務の一切を丸ごと受託したそこは運転上に区別を要さなかったゆえである。その記号の表示されていたのは日交観以外の受託個所であり、RCやCTC制御の普及以前には、確かに棒線駅ばかりであった。従って、それらは荷物営業を含む例の多かったとは云え、実態は乗車券類の委託販売である。

初田牛は1920年11月10日の根室線西和田までの開通に際して設けられた停車場ではあったが、周辺原野の開墾が進展せず、1962年には貨物扱いを取りやめ、1964年4月1日付で行違い設備を撤去して業務委託駅となっていた。この区間では花咲も同様の経過を辿っている。当時の受託者は調べ得ていない。
ここでの下車は特に当ての在ったで無く、濃霧の晴れ間を追って移動した結果に過ぎない。けれど、列車を待つ間に移流するそれに追いつかれてしまい、せっかく見つけたポジションを諦め、急ぎ線路端まで移動することになった。
やって来た列車は1492列車。根室港発の冷蔵車を連ねた編成だった。それの潮の香りのしたことは前に書いたと思う。シャッタタイミングの少し早いのは拙さ故とご容赦願いたい。

ついでなので、乗車券類販売の簡易委託制度に触れる。
この制度は、1970年度に「乗車券簡易委託発売基準規程」(1970年9月28日旅客局達第201号)としての制定による。
前述の「乗車券類委託販売規程」「乗車券類委託販売基準規程」(1958年に[細則]呼称が改められた)が、一般の乗車券類の他、周遊乗車券や遊覧用の特殊委託クーポン乗車券類などの代売に主には旅行業者を受託者とした制度であるのに対し、これは国鉄線内相互発着の常備片道乗車券と常備急行券に限り、資格を特に定めること無く国鉄の認めた者に受託させる制度である。地方公共団体から公的機関、果ては個人に至るまでを受託者に想定していた。
従来に、停車場業務の一環として業務委託を要した駅窓口での乗車券類の委託販売を分離したのは、1970年度を初年度に全国規模で実行された「営業体制近代化」施策に対応した措置であった。1950年代から60年代の線区別経営政策の当時に、要員の引揚げられた駅の地元から代売の申し入れの在っても、業務委託以外に制度の無かったことに応じたのである。それは旅客制度の専門知識を持つ要員の他、帳票作成や報告に国鉄内部と同程度の経理を要求され、簡単に受託出来るものではなかったからである。

[Data] NikonF PhotomicFTN+P-AutoNikkor50mm/F2 1/250sec@f4 Nikon L1Bc filter  Unknown Film(ISO100)  Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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