"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

広内信号場-西新得信号場 (根室本線) 2004

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国鉄における信号や閉塞梃子の遠隔制御は、1949年に上越線茂倉信号場を隣接の土合駅から操作したのが最初であるらしい。谷川岳直下地中深く清水隧道内に所在したこの信号場には、この当時に12人の職員が日勤・夜勤の昼夜2交替勤務で運転業務に従事していたと云うが、その過酷な職場環境からの解放と、勿論それによる経営合理化を意図してのことである。この制御装置は信号保安設備として特殊な設計となり、また新設計の要素を多く含んで設備費は高価であった。
そのせいか、次例は同年10月に開通の小山駅構内南端での東北本線と水戸線の連絡線、通称の小山短絡線のそれぞれの分岐(合流)転轍機の小山からの操作であった。但し、これは回路を引き延ばした駅の継電連動装置の範疇とも云えよう。そして、1951年4月からは東海道本線稲沢操車場経由の貨物線、通称の稲沢線が本線に合流する五條川信号場の清洲駅からの遠隔操作が行われた。これに用いられた制御装置は通信回路が改良され、前二者の1回線による直接式に替えて、後のCTC制御方式にも繋がる2回線を用いたタイムコード送信式が採用されていた。
しかしながら、これら初期の事例は伝送技術の未熟から運用成績は芳しく無かった様子である。

とは云え、本線から本線の分岐など単純な設備(当時の法規では、場内信号機を持てば信号場、持たなければ信号所である)への人員配置の省略などから、その改良と共に全国へ普及し、「遠隔制御」の英語名称「リモートコントロール」から「RC制御」と呼ばれた。
道内における最初の事例であるかは定かで無いのだが、仁山信号場-軍川(現大沼)間での単線から複線への分岐に、1962年7月25日から1966年9月30日まで置かれた熊の湯信号場が仁山信号場からRC制御されていた。函館本線の線増工事途上としては、この他にも駅間の分割施工(部分線増)に際して1966年9月28日から12月25日まで設置の国縫-中丿沢間函館桟橋起点105.9キロ地点なども、制御駅は不明ながら信号所に準じた被制御地点であった。
当時には、このような仮設的設備ばかりでなく恒久施設にも例が現れる。
根室本線の付替新線上に1966年9月29日に開業の鹿越信号場は東鹿越から、同年9月30日の上落合・新狩勝・西新得の各信号場は同時開業の広内信号場からの遠隔制御により、当初から要員配置が省かれた。三箇所を集中制御した後者は1964年の新幹線で実用化されたCTC制御の技術を転用したものであった。
同時期には既存の高根、平野川や上芽室の各信号場にも導入が行われる。前提となる自動信号化が完了していたゆえだが、同条件の一ノ坂、幌岡に及ばなかった事由は調べ得ていない。
1973年9月9日の千歳新線の開業に際しては、新札幌を改めた札幌貨物ターミナルから白石、厚別、上野幌の各駅の遠隔制御が行われた。制御駅は札幌貨物ターミナルとされたのだが、これは立地上の事由によるもので運転上には白石駅の施設であった。この頃には、RC制御に出発したCTC制御も技術確立と導入実績を重ね、これは限定的なCTC制御とも云えた。上野幌は1981年3月の千歳線CTC施行時点で、白石・厚別は1998年2月の小樽-旭川間のPRC制御施行の際にそれぞれ札幌指令所に移管されてRC制御を終了した。

以降、道内もCTC制御区間が大半となって、もう出番はないものと思われたRC制御であったが、1993年3月に宗谷本線稚内での基盤整備事業により構内配線が整理されると、残された3線に2基の転轍機の進路制御が南稚内からのRC制御とされたのだった。これも2010年1月の同駅の棒線化により廃止されている。

狩勝新線の10パーミルを下って往くのは2075列車。
落葉松の色づき始めたばかりで、広大な種畜試験場らしい秋の景観には少しばかり早い。
広内信号場からのRC制御は、落合-昭栄信号場間のCTC制御施行にともない1971年3月31日付を以て終了し要員は引揚げられたのだが、有人停車場として構内にスノウシェッドを設備しなかったため、以後も冬季には除雪要員が降雪状況に応じて待機していた。
なお、道内に所在したRC制御の被制御駅(地点)の一覧を WebSite にまとめている。

[Data] NikonF5+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/500sec@f2.8  C-PL+SC41 filter Ektachrome Professional E100GX [ISO160 /0.5 EV push] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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