"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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塩狩 (宗谷本線) 1976

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鉄道作業局は、北海道官設鉄道の移管を受けた1905年度に、道内最初の事例として天塩線(現宗谷本線)の蘭留・和寒の両停車場へ双信閉塞器を設備し、この峠越えの区間に双信閉塞式を施行した。なお、当時に塩狩信号場(当初に信号所)は未開業である。

複線区間での同方向続行運転の保安に用いられたのが本来である、この閉塞方式の単線区間への転用は、1/50、即ち20パーミルを超える勾配の介在を事由としていた。
双信閉塞式とそれに用いられた双信閉塞器は日本で考案・開発された閉塞方式であり、複線区間での運転保安に新橋-品川間にて1899年より試用されたのを嚆矢とする。その閉塞器の実物は、かつて神田の交通博物館に展示されていたと記憶するが、箱形のそれの丸い表示窓に示される腕木状の表示器の45度の下向きもしくは水平にて閉塞区間の開通・非開通を示し、それは正に腕木信号機を模したデザインとされて中々に洒落ていた。これの一対が区間両端停車場に設備され専用の電信線にて電気的に結ばれるのである。双方の駅長(運転扱者)が規則に従って電鈴にて、必要の有れば専用電話にて打ち合わせつつ操作し、閉塞区間を一個列車に専用させ追突から防護した。詳しい構造や動作法には言及しないが、腕木の上下は永久磁石と電磁石の作用にてなされ、例えば到着側停車場でそれを確認の後に双方で操作しなければ、出発側閉塞器の腕木は下がらないような仕組みになっていた。双信式の謂われである。
あくまで複線区間での同一方向運転に対応した方式・装置であり、乗務員は自列車に占有の物証を持って防護区間に進入するでなく、また駅長による列車出発到着の目視のみにて閉塞器の扱われるなど、続行運転への扱いの利便を優先させて保安度は劣った。

従って、天塩線のごとき単線に対しては、既に施行中の票券閉塞式に加えてのことであり、両方式の併用が1901年10月1日付で施行の「列車運転及び信号取扱心得」に規定されていた。それは続行運転のあり得る幹線の急勾配区間における列車分離や逆走への保安度向上を意図してのことである。票券閉塞式のみでは、閉塞区間に1個のみの「通票」に替えて先行列車に「通券」を所持させての間隔法による続行運転が認められており、勾配線での万が一の分離・逆走車両の検知には相手方停車場への確実な到着確認を要した故である。
票券閉塞式に替えてタイヤー氏式タブレット閉塞器(当時の呼称、後に通票閉塞器)を導入すれば同等の保安は達成されるが、双信閉塞器はそれより遥かに低廉でもあった。

1907年度の帝国鐵道庁年報に見れば、北海道帝国鉄道管理局の管轄線に双信閉塞器は44台の設置とあり、閉塞区間とすれば22区間であろう。具体的設置個所の記載はないのだが、同年7月に買収した北海道鉄道線の駒ケ岳山麓区間や渡島半島基部縦断区間、9月に開業の釧路線落合-新得間など当時の急勾配区間への導入は、ほぼ完了していたと読める。
けれど、1910年度の鐵道院年報では36台/18区間へと減少を見せ、早くもタブレット閉塞器への更新の始まったことが知れる。それの国産化により導入経費の低下したゆえであろう。以後に道内線のみのデータの無いが、おそらくは1910年代後半までには一掃されたものと推定される。急勾配線に、あくまで一時的な保安設備だった双信閉塞器だが、本来の複線区間用途には1965年まで生き延びた。

写真は、塩狩構内へと上る324列車の後ろ姿。角形の背板は塩狩の遠方信号機である。
宗谷本線における腕木式を廃しての色灯信号は1965年3月22日に全線での使用を開始している。閉塞方式の連査閉塞式施行に歩調を合わせてのことであった。この方式は通票閉塞式からの転換を低コストで実現するものとして開発され必ずしも色灯化を要しないのだが、要員合理化や保守コスト低減、積雪地域などでの通票授受解消も目的にしていたから、それとの同時施行事例が大半であった。

[Data] NikonF2A+AiNikkor50mm/F1.8 1/250sec@f8 Y48 Filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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