"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

苗穂 (函館本線/千歳線) 2001

naebo_19-Edit.jpg

酒に負けず劣らずビール好きでもある。
呑み始めは、当然に当時にはそれしかなかった国内4大醸造会社の定番銘柄だったけれど、まもなくにアイルランドのスタウトやらベルギービール、ドイツのヴァイツェンやケルシュを知ると国産ビールは物足りなくなってしまった。特にギネスのスタウトは今に至るまでのお気に入りで、これに初めて接したのは特急の食堂車だった。知り得る限りの1970年代から食堂車には必ず積込まれており、車窓を眺めながらは至福の一杯でもあった。

ビールに限らず、酒とは本来には地域毎に小規模な酒造所の所在してそこの住民達に供給するものだった。日本でも、外来酒であるそれの移入黎明期の1890年頃には主要な消費地だった都市部を中心に100箇所ほどの小規模な醸造所が稼働したらしいのだが、1900年に勃発した北清事変への参戦を契機に酒税の課せられると、それらは淘汰され、国内のビール産業は数社の大規模醸造会社による寡占が始まるのである。
これは日本の麦酒呑みには不幸だったと云わざるを得ない。それぞれが全国を市場としての数社間での競合では必然的にビールの多様性は失われ、どこの醸造所も下面発酵のピルスナータイプに収束することとなったのだった。加えては、日本人の味覚や嗜好に合わせるとの事由にてコメ(屑米)やコーン(粒や粉)を副原料に用いた軽い吞み口に画一化するに至った。 
それを日本型ビールと云えば聞こえは良いのだけれど、伝統的ビールを知ってしまえば香りも濃くも遠く及ばず水っぽさだけが目立ち、日本へのビールの定着は失敗だったと思ったものだった。
以来に、それはビール風アルコール飲料と割り切って飲む内に、福音は1994年の4月にやって来た。酒税法の改正により小規模醸造が認められたのである。全国各地に醸造所を生んだこれにて日本のビールは多様性を取り戻し、麦酒呑みの楽しみは広がったとして良かったのだけれど、それらは販売に苦戦を強いられることになる。
少量生産ゆえの高価格も一因であろうが、何よりは消費者側が先の日本型ビールに馴らされてしまい、基準となるべき本来のビール(の味)を知らぬことが大きかった。
伏線は1987年にアサヒビールが発売のスーパードライにあった。これは爆発的な販売高を記録し、各社が追随して90年代に掛けてドライ戦争とまで呼ばれた販売合戦が繰り広げられたのだった。限りなくビールを逸脱したこの手の不味い飲料の横行した市場での小規模醸造の苦戦は眼に見えていたとも云える。余談になるが、これで利を得た大手醸造各社は、小規模醸造所でのオールモルト醸造を逆手に取り、自社のそれを高級品としての定着にも成功してしまうのである。プレミアムビールと称される一群であるが、それとて水っぽさには日本型の範疇を出るものでは無い。

1966年に大手の一角、サッポロビールが札幌工場内に開いた「サッポロビール園」は、この手の飲食施設の走りであろう。ここで当初に供されたのは専用に醸された、彼の「ビール純粋令」に忠実なドイツビールであった。サッポロを冠した醸造会社の地元での矜持だったと思える。ビールを飲み始めた頃には製造されなくなり、残念ながら口にしたことは無い。けれど、以降にもここでは工場内と云う地の利を活かして流通製品とは異なる少量醸造のビールが供されて、熾烈な販売競争を続けていた大手サッポロビールの良心だと思っていた。食べ放題のジンギスカンばかりが強調されるも、確かにビール呑みに応えてくれていた施設だったのである。

ここは、かつてに工場へ専用線が通じていたように苗穂駅から地理的には至近の位置なのだが、それ自体と鉄道工場などによる南北分断にて、交通の利便は札幌駅からになる。それを最寄り駅は苗穂などと記したガイドブックが存在したものかは知らぬのだが、数年前に駅から上白石橋へと歩く途上の東苗穂架道橋のところで、東京からと云う女子大生グループに呼び止められ、ビール園への道順を尋ねられたことがある。そこまで歩いてしまった以上、鉄道工場の外郭に沿って進み 4車線の北八条通りに出たら左へひたすら歩けと教えたものの、3キロ強の徒歩には小一時間を要して、随分と遠いところと思ったことだろう。
当時でも、歩くなら東11丁目の人道跨線橋を往けばゆっくりと歩いても30分も掛からずに到達したけれど、札幌アリオを通り抜けられる今ならもっと早い。もう苗穂を最寄り駅と書いても良さそうだが、当のビール園の案内にもそれは無い。

写真は、苗穂東方の函館桟橋起点290キロ付近を往く8002列車。
画角の何度かの既出をお詫びする。渡道の度に、この位置には立っていたのである。札幌の紅葉黄葉ヴァージョンにてご容赦願いたい。

[Data] NikonF5+AiNikkorED300mm/F2.8S 1/200sec@f5.6 PLfilter Ektachrome Professional E100S [ISO160 / 0.5EV push] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

関連記事

コメント

こんにちは

白滝に住むようになってから 病弱なダンナやいろいろ問題ごとを起こす息子たちに何かあった時に私が運転できなければ困るので お酒を断っておりますが(もともとそんなに飲めませんが)
若いころはいろんなお酒、いろんなビールを口にしました
ベルギーのカシスのビールを飲んだ時と、サッポロのラガービールを飲んだ時の驚きは今も鮮やかに覚えていますねえ
でも札幌市民でしたがサッポロビール園にはいったことがない(笑)

今度 息子が成人した暁には 美味しいビールをいただきたいものです(^^)

  • 2014/10/20(月) 12:34:13 |
  • URL |
  • Jam #jxT87rSU
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんばんは。

なるほどぉ、もうすぐ再び呑めるって訳ですね。
2年や3年なんて、あっと云う間ですから。
「初」ビール園で親子乾杯なんて良いじゃあありませんか。
是非、判断の基準となる正しいビールを教えてあげて下さい。
私なぞ、随分回り道したものでした。

  • 2014/10/21(火) 23:18:37 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/716-30513b63
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。