"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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有珠-長和 (室蘭本線) 1996

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現在の茨城県常陸大宮市辰ノ口に産まれ育った祖母の話には度々キツネが語られた。全て畑を荒らし家禽を襲った害獣としてであった。キツネ(これはホンドギツネであるが)は決して深山では無く人里近くに生息して、古来から人と接触を持って生きて来たのである。
これは開拓入植の始まって以来の北海道とて同じであろう。古くからの道民には馴染みの野生動物だったかも知れないけれど、1960年代の手稲の新興住宅地にそれの出没することは無く、キタキツネとの初対面はずっと時代の下った70年代半ばの道南七飯町内の山林だった。クマザサの中からこちらを見つめる姿に、てっきり痩せた野犬と思い込み警戒したのだけれど、畑に下ったところの農家の主からキツネと教えられたのだった。それ以降には樹林帯と言わず原野と言わず、ありとあらゆる場所でその姿を見かけるようになったから、彼らは80年代を通じて個体数を増やし、かつ市街地近くへも生息域を拡大したものと思う。一度だけだが、伊達紋別の駅前通りを犬宜しく出歩いている姿には我が目を疑ったものだった。

このキタキツネは津軽海峡に引かれたブラキストンラインを越えることはあり得ず、北海道以北千島・樺太の固有種とされていたのだが、暫く前に青森の県域紙、東奥日報に「県内でキタキツネを目撃」との記事を見つけた。それによると延長53850メートルの青函トンネルを伝って渡って来たものと推定され、北海道旅客鉄道の監視カメラにも、それがトンネルを通過したとは必ずしも判定出来ぬものの姿が捉えられていたと云う。
トンネルの貫通の頃だから30年ばかり前のこと、とある生物学者が将来には列車に付着しての昆虫類は勿論、両生類・爬虫類も次第に隧道内に進出していつかは反対側に達するであろうし、哺乳類個体の通過もあり得ると話すのをテレビ放送に見た覚えもあり、それの現実となったのである。おそらくは餌の野ネズミを追ってのことだろうから、それもとっくに本州に到達しているに違いない。まだ公式には確認されていないせいか、国立環境研究所の侵入生物デイタベイスに登録はないけれど、研究者によれば、内地の在来亜種であるホンドギツネとの交雑や生存競合も想定され生態系には由々しき事態としている。

このエントモ岬のトンネル手前、柴田踏切のあたりでは、そこに立つ度にツガイのキタキツネに出会った。例によって草薮に隠れながらも侵入者たるこちらを観察しているのである。夏前には子連れの姿も見かけたから、ここを住処にしていた夫婦のキツネだったのだろう。
ところが2000年を過ぎたあたりを境にぷっつりと姿を見せなくなった。調べてみると、90年代後半からセンコウヒゼンダニの寄生にて引き起こされる皮膚病である疥癬への集団感染が蔓延し、これにより相当の生息数を減らしたと在った。あの家族も罹患してしまったのだろうか。

柴田踏切で8002列車を撮ると、まもなくに日が暮れる。振り返れば茜空は夜の青色に溶け始めて、これを背景に3061列車をフィルムに収めるのを定番にしていた。
マゼンタ系への発色はPKLの得意とするところとは、コントロールにに苦労なさった向きならご承知と思う。

[Data] NikonF4s+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/250sec@5.6 Fuji LBA2 filter PKL Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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