"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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網走 (石北本線) 1983

abashiri_05-Edit.jpg

冬場、観光のオフシーズンの夜行急行は空いていた。流動はほぼ道内旅客だけだから、週末等を除けば向かい合わせ4人掛けのひと区画を独占出来ることも珍しくはなかった。肘掛けを枕替わりに完全とは往かないものの身体を伸ばして休めたので連日の夜行移動には福音ではあった。けれど、座席での睡眠は秋冬期、それ故の車内暖房に泣かされた。
云うまでも無く、当時は機関車から編成に延々と蒸気を送込む蒸気暖房だった。従って原理的に編成の前部と後部とでは蒸気温度にかなりの差を生ずる。厳寒の予想される一夜の運行など後部車両への十分な供給には勢い送出蒸気圧を上げることになり、編成前部には暖房過剰とならざるを得ないのだった。
道内夜行は稚内、遠軽方が自由席車だったので下り乗車には要注意で、機関車次位は避けてなるべく後の車両に席を採ったものだが、一番空いていたのは一両目なので悩みどころではあった。逆に後位となる上りでは前位の寝台車での過剰暖房を避けるためか、蒸気供給が及ばず深夜の気温低下に目を覚ましパーカを着込こむことさえあった。特に悲惨だったのは上り<大雪>の北見回転車で、遠軽までは機関車次位なのだけれど、十分に暖まらぬうちに進行方向の変わってしまい白滝方向へと進むうちの車内温度低下を体験している。
塩狩や石北隧道越えの補機が蒸機の時代には、外気温によってはそれが後部からも暖房蒸気を供給して補ったものだろうが、1967年から置替に投入のDD51の6両は蒸気発生装置を殺した補機専用機で、その後に増備されても補機運用にそれを使用することはなかった。

1982年11月のダイヤ改正から電気暖房の14系特急形客車に置替えられれば、この不均衡は改善されたのだけれど、実はこれが曲者であった。今度はR51型腰掛に装架されたヒータが暑過ぎたのである。室温を検知しての自温度調節機能も付加されたものの、それはあくまで室温であって座席表面温度では無い。腰掛けて旅するには快適なのだが、そこに横になっているとTシャツの1枚でも汗の吹き出してそれどころでは無い事態に幾度も遭遇し、固定窓には貫通幌から粉雪の吹き込む乗降台へと避難し身体を冷やさざるを得ないこと度々であった。

写真は網走で発車待ちの516列車<大雪>。
1982年11月15日改正以来の14系座席車と在来型寝台車の混結編成は、この年の夏の寝台車への14系投入にてようやくに解消していた。この疑似ブルートレインとも云えた編成を眺め、ほんの10年前に同じ位置からC58の牽く在来型客車で組成の同じ列車を撮ったことを思い起こせば、変転の早さを感じたものだった。
DD51は、最後部の荷物車向けに蒸気発生装置を稼働している。

[Data] NikonF3P+AiNikkor50mm/F1.4S Bulb@f8 NONfilter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

冷房

こんばんは。
蒸気暖房、次位客車では湿度も高そうな印象(=想像)を持ちましたが、
如何だったでしょうか。
小生は夏場に列車を使用した出張時の特急車内の冷房ガンガンに参った記憶があります
(最近はさほどではありませんが)。

  • 2014/09/04(木) 21:19:59 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

道内夜行列車

良く光の回ったモノクロのトーンがきれいですね。

道内夜行列車の暖房も苦行の歴史として懐かしく思い出させていただきました。
私の場合、暑くて苦しんだ場合がほとんどです。眠れぬ夜、窓に顔を近づけると伝わる、ひんやりとした空気が心地良かったこと。
外は真っ暗闇が広がっていましたね。

大雪発車直前の網走駅、凍てついたホームに響き渡る山口百恵の「いい日旅立ち」が妙に記憶に残っています。

  • 2014/09/05(金) 23:17:15 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: 冷房

こんばんは、景鉄さん。

ご存知ない方には、そんなイメイジかもしれませんね。
蒸気暖房と申しましても、スチームを直接に吹き出すではありませんから、寧ろ、車内はカラカラに乾燥します。
窓下部の床上を引き通されていた暖房管放熱フィンのカヴァに雪で濡れた毛糸の手袋やら帽子を置いておくと、すぐに湯気を上げて乾いたものでした。

  • 2014/09/06(土) 00:34:29 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

Re: 道内夜行列車

スハ45の頃、あまり暑いので二重窓の内窓を上げると、外窓は瞬く間に結露して水の滴り落ちる程となり、
そのまま寝てしまい朝に起きれば、それのびっしりと凍り付いていたのも夜行急行ならではでした。
陽の昇り、赤い朝日にそれの輝く様を良く覚えています。もう二度と経験の出来ない旅ですね。

そう、すっかり忘れていました、「いい日旅立ち」。あれは夏のシーズンだけで十分でした。

  • 2014/09/06(土) 00:47:15 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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