"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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倶知安 (函館本線) 1983

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スキー競技のジャンプ場は規模の大きな施設である。そのサイズは2005年の規約改正からジャンプ台の終端点、カンテと呼ばれるテイクオフ地点から着地区域終点のL地点までの実距離を示すヒルサイズ(HS)で区分されているのだが、つまりはランディングバーンの総延長であるこれは、ノーマルヒルと云えど85mから109mと規定され、これにアプローチの90mのジャンプ台本体を加えた、凡そ傾斜度35度の200メートル近い斜面にジャンプ台の滑走始点位置はL地点と100mを越える標高差となる。
倶知安駅至近の町営旭ヶ丘スキー場に1963年12月に完成した倶知安ジャンプ場は、当時の基準で65m級のK地点位置75mで建設され、1970年の改修にて70m級のK地点84mとされていたから、現行規定なら僅かにノーマルヒルに及ばずミディアムヒルに区分されよう。ほぼ地形の斜度に沿うように造られており、この大仏寺山の斜面は天然の適地だったことになる。滑走始点は標高290メートルに10メートル程に鉄骨を組んで設けられていて、倶知安市街地との標高差は130メートルに及んでいた。

駅ホームに立てば間近に望め、その始点はスキー場斜面の最上部に位置しスキーリフトの到達点近くとも見えたので、樹木も取り払われたそこに登ってみたくもなるのは鉄道屋としては致し方ない。観光パンフレットにそこからの真狩山(後方羊蹄山)の姿も見ていたからでもある。
旭ヶ丘公園から夏草に覆われた麓のスロープを上り始めたものの、着地区域に至れば斜度は30度を越えて、それは土木や建築の世界では「崖」の範疇の傾斜である。ようやくにジャンプ台下部のカンテ位置まで達したけれど、それ以上には草をかき分けて登坂する気になれず、ジャンプ台上面を辿ることにしたのである。
鉄骨を2メートルばかりよじ登ったそこは木板の張られた斜度30度の直線の通路が遥か上まで続いていた。鋼索鉄道の最大斜度である高尾山登山電鉄の31度に匹敵する傾斜は、草の繁茂した「崖」とは異なり、少しばかり威圧感を覚えたものだった。しかも両側の安全柵を頼りに登坂を始めれば、床の木板は多くの個所で腐食して穴の開いていたのである。荷重の分散されるスキー板に乗っての滑降には問題の無いものなのだろうか。
標高に風速も感じ始め、急傾斜を一歩踏み出す度に軋む床板に次第に斜面からの比高も増せば、今に振り返っても鉄道撮影行動の中で最も恐怖だったと告白せねばならない。背後には奈落の急坂が続いていたのである。

写真は、ようやくに到達した始点待機台からの倶知安市街地の展望。着いた時には大汗をかいてしばらくは脱力したものだった。駅場内に向かう列車は、荷44列車。
頂上までクリアに見えた真狩山を背景のカットは 倶知安 (函館本線) 1983 にある。
帰路には、草漕ぎのスキー場の斜面を選んだのは云うまでも無い。

[Data] NikonF3P+AiNikkor180mm/F2.8ED 1/125sec@f8 FujiSC56filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

かつて新得スキー場にあった、30m級のジャンプ台。
こっそり友人とふたり。
プラスチックのボブスレーで滑り降り、脚を捻挫したのは私です。
・・・<(_ _*)>

  • 2014/07/29(火) 21:36:59 |
  • URL |
  • うめじろう #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

うめじろうさん、こんばんは。
しばしお休みされておいでのようでしたが、取り敢えずの復活は楽しみに致しております。
人間ひとりをあれだけジャンプさせるには、30度を越える傾斜での滑走が必要なのでしょうが、
それを下から見上げれば、正に壁ですし、見下ろせば奈落への落とし込みにしか見えませんね。
それをプラ橇で滑り降りて、どんだけジャンプしたのですかっ!!
捻挫ってことは、橇上での着地にテレマークを入れ忘れたってことですね。

  • 2014/07/30(水) 01:24:40 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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