"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

姫川 (函館本線) 1993

himekawa_05-Edit.jpg

あまり取り上げぬ時事ネタである。
ご承知のとおり、西日本旅客鉄道は先般、大阪-札幌間に変則的定期運行の臨時列車<トワイライトエクスプレス>の2014年度末までの廃止を公表した。2015年3月に予定される時刻改正を以ての実行であろう。同社はその理由を「車両の老朽化」としている。1970年代前半時期の新製車を種車としての改造車編成は、確かに車齢は40年前後に至る。
一方で、北海道旅客鉄道と東日本旅客鉃道は2015年度末の北海道新幹線の新函館開業に関連して、25000ヴォルトに変更される海峡線区間の電車線路加圧電圧に対応する機関車導入の予定の無いこと、新幹線列車運行の無い夜間に保守間合いを確保する必要から海峡線区間を運転する寝台特急列車の運行継続を困難と非公式にコメントしていた。
高い乗車効率を維持する<トワイライトエクスプレス>の、それを1年前倒ししての廃止は「車両の老朽化」だけなのだろうか。北海道旅客鉄道では数年前から14系・24系客車の延命工事を続けており、それは<北斗星><はまなす>を2015年度末までは運行する意思に読める。

以下は推定であり、しかも私見に過ぎないのだが、おろらくは2015年春に予定の北陸新幹線の金沢までの開業が関連していよう。この列車の運行継続には、分離される並行在来線を運営する第三セクター鉄道の3社区間の直通を要するのである。それに際して3社には二つの選択肢がある。旅客列車の例外として貨物列車同様に線路使用料を課して運行させる、もうひとつには運賃は勿論のこと特急料金に場合によっては寝台料金までも徴収し、その上で西日本旅客鉄道に車両使用料を支払うか、である。それの第三セクター鉄道、しいては出資自治体との交渉が決裂したのが真相ではなかろうか。上野発着列車の盛岡-青森間運行は、現在に後者にて行われている。利用者には負担増となったのは周知のとおりである。

さらに深読みすれば同社と沿線自治体との在来線分離を巡る確執も見え隠れする。富山県は新幹線の開業後も関西との連絡特急の第三セクター線を通じての富山着発を強く要望していたのだが、この旅客の利便からも至極当然の要求を新幹線収益に固執する西日本会社の拒否した経緯が在る。富山県が夜行特急だけの乗入れを認めぬのなら、それは意趣返しにも見えるし、応じての当該列車廃止の決定は西日本会社側の意固地にも写る。
いずれ歴史家が解明してくれようが、その背景は、もともと同社には在来線の流動も多い金沢-富山間の経営分離の意思の無かったことではないか。決定権は会社側にあるのだが、これに富山以遠の非採算区間のみを押し付けられる富山県が当然に反発し、いずれかのレヴェルで政治的決着の図られたものと思う。それの尾を引いているとしか考えようが無い。

ついでに言及するが、前記の北海道旅客鉄道と東日本旅客鉃道の見解には根拠が無い。初期投資に牽引仕業も貨物鉄道と協議の余地のあるし、夜間に保守間合いを確保したのでは物流に不可欠の札幌へ朝から午前に達するコンテナ列車の設定が出来ぬからである。それは貨物鉄道の経営を直撃することになろうし、広くは北海道経済に影響するだろう。

写真は、函館桟橋起点43K500M地点のR=301曲線を旋回する8001列車。頂上を雲に覆われた駒ケ岳はフレイムアウトするしか無い。
ここでの伐採を知って訪れた最初の際の撮影だが、その後の幾度かも夜明けまもない時間帯の天候には恵まれず、心残りの地点になっている。植林された杉の成長で、もう撮れなくなったからである。

[Data] NikonF4s+AiAFNikkor 50mm/F1.4D 1/60sec@f2.8 NON filter Tri-X(ISO320) Edit by PhptpshopLR5 on Mac.

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コメント

シャッタスピード

こんばんは。
本文と関係の無い話で失礼します。
SS=1/60のお写真が2枚続いていますが、列車の走行速度は双方ともいかほどでしたでしょうか。
というのも、駅ホームを出発後1~2秒経った程度の列車(松本電鉄)を1/80で撮影したことがありましたが、自分は列車を止められませんでした。三脚使用ですので手ぶれは無いです。
よって、走行中の列車はどんなに遅くても1/125、保険の意味で1/250が安全マージンとしております。
(因みに私のEF64原色重連は1/200です)

  • 2014/06/05(木) 21:11:52 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

Re: シャッタスピード

こんばんは、影鉄さん。
動体を止めるにせよ、ブラすにせよ、シャッタ速度は厄介ですよね。意図的な画角でブレの表現を意図した時など、
最適なブレの分量を推定するにはテスト撮影が欠かせませんでした。
それは列車の運転速度と云うよりも、それを捉える角度と大きさによる運動方向の見かけ上の動きによって決まります。
七飯-大沼 (函館本線) 1988 の例ですと、向かって来る列車を遠く浅い角度で正面から見ていますので、
例え高速運転であっても、そのフィルム面での動きは僅かですから、これは1/60があれば十分に止められます。
一方、上のカットですと、半径300メートル曲線にDD51機関車の運転速度は本則の65km/hを上回ることはありませんが、
曲線を回る機関車の前頭部の運動量は大きく、しかもかなりの移動距離になります。
当然に1/60では止まらないと予想され、このサイズのカットでは誤摩化せますがブレています。1/125が確保出来ても微細なそれは残ったでしょう。
しかしながら、アンダー露出を意図したとは云え、ご覧の通りに照度の足りない環境に泣く泣く1/60を選んだ訳です。

  • 2014/06/05(木) 23:33:08 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

勉強になります。

>運転速度と云うよりも、それを捉える角度と大きさによる運動方向の見かけ上の動き
ご解説に思わず唸りました。目から鱗の心境です。
1/80で失敗した際は、約30mの距離からほぼ真横に動く列車を狙っていてのことです。
ご教示ありがとうございます。



  • 2014/06/07(土) 00:11:17 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

恐縮します

恐れ入ります。恐縮です。
真横からの平行移動は厄介です。
幹線の高速列車で、500メートル程の距離を300ミリで見通しても1/250では完全に止まらなかったこともあります。
仰せのカットですと1/250は必要でしょうね。
もっとも、水鏡でなければ敢えてブラしても面白いかも、です。

  • 2014/06/07(土) 01:45:31 |
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  • Wonder+Graphics #-
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