"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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富浦 (室蘭本線) 2008

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ポントコ山の緩斜面が台地となって海へと突き出した蘭法華岬の、海面からの比高60メートルあまりは大きな岬と云えよう。その先端のみならず西側の斜面は断崖が続き、急激な隆起作用による海成段丘崖がそれゆえに海触を受けた結果であり、岬を含む段丘面上には古代の俱多楽・室蘭火山の活動による噴出物が厚く堆積している。(五万分の一地質図解説 : 北海道地下資源調査所 1953年)
鷲別岬からの淡々とした海岸線を遮るこの断崖の岬は、続く登別ポンアヨロと並んで古くから交通の難所であった。

先住民族が Ri-hur-ka(高い丘の上)と呼んでいたこの交通の障害を、彼らは崖を這うように屈曲した経路を見出して登った。それは hasinaw-us-i(幣場)でも在った上部への登摩路だったのかも知れない。18世紀前半に松前藩によりホロペツ場所が開かれると漁場間の移動に和人もこれを利用し、1838年に場所請負人となった松前の恵比寿屋(岡田屋)半兵衛により手を加えられたものとは思われるが(恵比寿屋は登別温泉への新道も開削した)、幕末には難所として知られていたと云う。近年に至るまで鉄道隧道の陸側にその痕跡が残っていたと聞く。
西洋式の道路(馬車道)として1872年に着工の札幌本道は、それを利用するには往かずに岬の断崖下を迂回する経路を採った。崖を開削し発生土砂で海側を埋める工事であったろうが、それの基準規格とした幅員の6.7メートルを確保したものかは怪しい。
この区間は1907年に國道43号線(1920年に國道28号線)の一部に指定されるのだが、落石や浪害の危険のままに放置され、1932年に至ってようやくに蘭法華(らんほっけ-鉄道と読みが異なる)隧道を含む新道が供用となった。このトンネルは、1952年に国道28号を改めた36号線に引き継がれて機能し、現在も道道701号登別港線で健在である。放棄された旧道は岬周囲の一部に痕跡の認められるけれど、先端部は波浪に崩落して跡形も無い。
1960年代に室蘭から苫小牧・札幌を連絡する交通量の増大から計画されたのが国道36号線の富浦バイパスである。これは富浦市街地を迂回し、且つ幅員を確保する必要から市街地背後を通過する線形が選ばれ、延長を増すトンネルを避けて急崖斜面の切取土工で岬を越えた。供用は1971年8月13日であった。
ここにさらに開かれた道路には1986年10月9日に登別東I.C.と登別室蘭I.C.の間を開通した道央自動車道があるけれど、これは遥か内陸の台地上を通過して岬を越えたとは云い難い。

一方、1892年8月1日に室蘭(現東室蘭)-岩見沢間を一気に開通した北海道炭礦鉄道は、鉄道の線形からここに蘭法華(らんぽっけ)隧道を穿つことになった。然したる障害のない建設区間にあって、その火山性の地質から湧水に手こずった難工事と記録されている。そして1926年7月10日の幌別-登別間の複線運転に際しては、既設線の山側に並行してもう一本の隧道が新設された。
この煉瓦積みの2本の隧道は、その後永くに幹線輸送を支えたが、1980年10月1日に予定された室蘭本線の電気運転に支障するため、複線断面の(新)蘭法華トンネルがさらに山側に掘削された。火山性地質に対しては当時に最新のNATM工法を採用、その一次覆工と二次覆工間に止水材および発泡断熱材を挟み込むことにより漏水と凍結防止を図った防水断熱工法の実用化モデルとして1980年1月に完工し、同年夏までに線路が切替えられた。使用開始日は明らかに出来なかったが、電気運転設備の通電開始が7月16日であったので、それ以前には違いない。
この切替新線はその後まもなくに災害に見舞われる。これについては別項を立てたい。

写真は、本輪西から北旭川に向かう石油輸送列車の5373列車。
このタンク車組成は、もう道内では見られない。この頃までなら、陣屋町-萩野間をシャトル運転したチップ輸送列車もここを走っていた。北海道の鉄道はどんどん面白く無くなる。

[Data] NikonF5+COLOR-HELIAR 75mm/F2.5SL 1/500sec@f5.6+1/2  NONfilter Ektachrome Professional E100GX [ISO160/0.5EVpush] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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