"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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長万部 (函館/室蘭本線) 1998

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長万部での本州連絡特急寝台列車へのバルブ撮影には意図せずとも機会の多く、貨物積卸線撤去跡で度々にそれを待っていた。かつては立てぬ位置だったから尚更でもあった。
ここでのバルブのセオリーは、機関車前照灯の光軸から離れた位置(即ちは列車に接近した位置になる)から中望遠の画角を用いて、既に腕時計の判読出来ぬ程に暗い構内照明ではなく道路側の街灯光を利用することだった。とは云え、それでは当たり前の絵(→長万部 (函館/室蘭本線) 1994)にしかならぬゆえ、少なくとも105ミリからの望遠画角を考え、レンズを変えて何度か撮ったけれども、フィルム撮影の当時には満足する絵の得られぬままに終わってしまった。

ひとつには、前照灯の光軸に近づくことでのフレア・ゴーストの発生である。ビームの落としてあれば考慮せずとも良いのだが、それでは奇数の絞り構造にその倍を生ずる光芒が迫力不足で仕業途上の機関車のイメイジが弱くなると考え、ニコンサーヴィスに鏡筒内反射の低減改造を相談するも、強い直射光への効果に疑問を呈され、何より提示された見積もり額にこれは諦めざるを得なかった。
それに、画角に写り込むことになる照明光源への補正が難問だった。駅跨線橋や乗降場上屋の白色蛍光灯ばかりでなく、ここには乗降場のメタルハライドらしき水銀灯に、跨線橋からの階段にナトリウム灯、被写体後方で構内の跨線人道橋を照らすこれも高照度のナトリウム灯などの光源が混在して、現地で、Ektachromeに対するCCフィルタの組合せと濃度をテスト撮影してはいたものの、全てへの完全な補正は困難に違いなかった。

さらには、背景の空を群青色に出したいと云う目論みを持っていたのである。ご承知の通り、日没後の天空は残照の空となって次第に漆黒に溶けて往き、完全な夜空と化すには1時間程を要して、それまでならバルブ撮影に青く発色した。所謂航海薄明から天文薄明に至る時間帯である。日没時刻が19時を過ぎる夏至の時期を選べば、長万部を20時の2列車なら背景に取り込めると考えられた。けれど、光源への補正フィルタは効果の及ばぬ部分の暗黒を前提にしているから、それとは両立しないことになる。露光時間をf11での20秒前後と仮想して、決して漆黒では無く、且つフィルタの色乗りの気にならない程度に空の落ちるまでの経過時間を日没から50分程度と、これは自宅ベランダからの数日間のテスト撮影で判断し、20時の撮影とすれば19時10分あたりの日没、即ち6月10日前後に7月20日前後の数日が適切時期と推測された。

写真はそれを実行した中でのカットである。空の発色はほぼ目論み通りなものの、力強い光芒と引換えに異形の内面反射を生じている。これはフィルムそのものを反射体とした散乱光の二次像であろう。
列車は、勿論<北斗星2号>。
カメラ内部での散乱を含めて、このセッションでの数々の困難はディジタルに持ち替えてから気の抜ける程に霧散した。その福音を最も享受した撮影かも知れない。なので、このカットは習作に留まる。

[Data] NikonF5+AiNikkor105mm/F1.8S  Bulb@f11 Fuji CC35M+CC05R+CC10B filter Ektachrome Professional E100GX [ISO160 / 0.5EV push] Edit by PhotoshopCC on Mac.

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