"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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白樺 (深名線) 1981

shirakaba_04-Edit.jpg

1995年9月3日まで深川-名寄間で存在した深名線は、本来にこの両停車場を起終点に計画されたものでは無い。『鉄道敷設法』(1922年4月11日法律第37号-通称の新鉄道敷設法)での法定線は名寄-雨龍-羽幌間鉄道(同法別表143号)であり、これに幌加内村(当時)の有力者が政治力で実現させた深川より雨龍原野奥地、雨龍川流域への請願線へ雨龍(朱鞠内)で接続とした結果の線形に過ぎない。もっとも、建設線名を雨龍線としたこの請願線が幌加内線の名称で朱鞠内に達した1932年に、名寄-羽幌間法定線は予定線に留め置かれて調査線ですらなかった。鐵道省には、朱鞠内で区分される南部区間と北部区間とは計画はもとより建設動機、目的の異なる個別の案件だったのである。これを合わせて単一の線路名称を付与したのは両区間の大部分が通過した幌加内村への配慮とも思える。

北部、法定線区間の建設は1928年の雨龍電力株式会社設立に始まる雨龍川の電源開発計画による。沿線に入植の進展しつつあった南部幌加内線区間と異なり、予定区間はほぼ全線が人跡未踏の原生林地帯であったから、この計画のなければ建設のインセンティブに乏しい区間であった。
鐵道省は1932年に比較線として朱鞠内-美深間(37.3キロを想定)の踏査を行った上で、これを法定どおりに名寄起点を妥当として1933年度に朱鞠内までの区間を調査線とし、1934年4月1日付にて北海道建設事務所の所管線に編入、建設線名を名雨線として線路選定に着手した。
工事は、全線43キロを名寄-初茶志内-熊牛内-奥大学-白樺-宇津内-朱鞠内の6区間に分け、奥大学を境に名寄側からを東第一から東第三工区、朱鞠内側からを西第一から西第三工区として、1935年8月に朱鞠内口の西第一工区に、同年10月に東第一工区へ着工、他の工区も1936年の融雪を待って着工されている。
この作業拠点や飯場の置かれた工区区分箇所で、初茶志内に白樺と宇津内は開業に際しての停車場設置地点であろう。線路は名雨隧道出口近くで熊牛内川と交差していたから、この付近が熊牛内と推定されるも、奥大学の位置が良く分からない。おそらくは北海道帝国大学雨龍演習林の所在に由来した命名と思われるが、当時にも存在したはずの茂尻(後に母子里)の地名を用いなかったのは、母子里原野より西の原生林地帯に設けられたものだろうか。既に入植の始まっていた茂尻への飯場開設を避けたのは十分に考えられることではある。

前の年の訪問で白樺から道道638号名寄遠別線(当時に未成)とは名ばかりの林道へ至る通路を確認していたので、北母子里から延々と歩くこと無く、この朱鞠内湖の奥まった北岸を望む高台に到達していた。この夏の一日も誰一人出会わずに過ぎたのは云うまでもない。知識のあまり持たなかったせいなのか、ヒグマへの遭遇を心配した覚えも無い。
朱鞠内湖の湖畔を抜けるキハ22の単行は944D、朱鞠内行き。
それの去ってしまえば、チシマザサを揺らす風音しか聞こえない。

付記) 上記では飯場と記述したが、実態はタコ部屋労働である。

[Data] NikonF3HP+AiNikkor50mm/f1.4S 1/250sec@f5.6 Y52filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

夏の深名線

1981年夏の深名線といえば私も行っていましたよ。どこかですれ違っていたかも知れませんね。
朱鞠内から炎天下を湖畔乗降場まで歩きました。
朱鞠内湖を見るにはここかと思っていたのですが、白樺のような本当の核心地になぜ踏み込まなかったのか不思議です。
お写真のようにちゃんと朱鞠内湖が入るのか何も情報が無かったのと、囁かれていた「熊」が怖かったのでしょうか。
この頃はツートンの気動車色が健在でしたね。目に沁みる様な緑とのコントラストが思い出されます。

  • 2014/07/12(土) 23:43:59 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: 夏の深名線

気動車が単行で走るような地域交通線はほとんど撮っていないのですが、
何故かしら、70年代には興浜北線に、80年代には士幌線とこの深名線には良く通いました。
その沿線景観に自分の心象に響くものがあったとしか思えません。
ヒグマに、強烈に怖い思いをしたのはこの翌年秋のことです。
その後なら、こんなのんびりと一日を過ごさなかったかも。

  • 2014/07/13(日) 14:27:10 |
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  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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