"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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東室蘭 (室蘭本線) 1993

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東室蘭は、移転による開設当初より旅客・貨物とも終始、室蘭と伊達紋別・苫小牧方面との中継駅として機能して周囲に商業地や飲食街をともなうことがなかった。そのあたりの経緯は 東室蘭 (室蘭本線) 1996 に書いている。
東口と西口に一軒ずつだった食堂は早くに店仕舞してしまうから、ここへの宿泊での遅いチェックインには食事に困り、勢い、西口右手側線路沿いの横道にほんの数軒が軒を並べていた焼き鳥屋に踏み入って知ったのが、所謂「室蘭焼き鳥」だった。

現在のような大衆酒場としての焼き鳥屋の成立は、1923年の関東大震災を切っ掛けとした屋台営業の形態が全国に波及したものと云われている。そこで供されたのも当時には高価だった鶏肉に替えての豚のモツが中心であり、関東地域では「焼とん」と称したのである。にもかかわらずの「焼き鳥」の名乗りは、それ以前からの屋台が鶏のスジ肉やモツの他に雑多な獣肉を扱い乍らの「やきとり」に倣ったものである。1930年代初頭と推定される室蘭への移入も同様の形態であり、1937年に始まる日中戦争戦時下の食料増産に政府が豚の飼育を奨励したことにより、軍需産業となった製鉄所に労働力の動員された室蘭には、周辺農村から多くの豚モツの食材の集められたものと思う。戦後復興期の闇市営業も同じであったろう。
これは、関東をはじめ多くの地域にてブロイラー鶏の普及により鶏肉価格が低下する1960年代以降に、それを使用した正真正銘の「焼き鳥屋」へと転換して往くのだけれど、室蘭では豚の使用が続く。ブロイラー鶏生産の寒冷地への技術移転の遅れ、鶏肉は引き続いて高価だったのだろう。
豚モツとともに串に刺されていた長ネギも、戦後に入手難だったそれに替えて、産地ゆえの安価なタマネギが使われるようになったと云う。確かに、豚にはその方が相性も良さそうに思える。
塩焼きならまだしも、基本的にタレ焼きを「洋カラシ」にて食するのは、これこそが室蘭焼き鳥に独特であるけれど、かつてには全ての店で供されたものではなかったらしい。おでんからの転用説にトンカツからの転用説のあるそれの、いつ頃にどの店で始まったものか定かではないが、来店者からのリクエストで多くの店に広まったとされる。

2013年のデータによれば同市内所在の焼き鳥店は56店、人口1万人あたりの焼き鳥店数の6.1店は、鉄板焼き鳥で高名な愛媛県今治市の3.7軒はもとより久留米市の5.9店を上回って全国一である。56店は焼き鳥店を名乗る店舗数であり、それの品書きに在る居酒屋の類いは含まれていない。消費量データは見つからなかったのだが、おそらくは子供のおやつ代わりを始め家庭にも浸透しているだろうから、市民一人当たりのそれは相当なものだろう。
製鉄所の高炉が全て稼働していた高度成長期には、さらに多くの焼き鳥店が営業していたはずであり、前述の呑み屋街とは呼べない規模の東室蘭駅横道にも、1980年当時でも4軒が並んでいた。

写真は東室蘭に停車する4列車<北斗星4号>。雨の匂いのする9月の夜だった。

[Data] NikonF4s+AiNikkor105mm/F1.8S Bulb@f5.6 NONfilter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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  • 2014/05/06(火) 08:52:18 |
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  • 2014/05/06(火) 22:18:55 |
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