"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

生田原 (石北本線) 1972

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生田原町(当時)は1993年に、この地域に関連した文学作品に関わる資料を展示する「オホーツク文学館」の町立図書館をそれに併設させての開設に際して、建設地を鉄道用地に求め、これを生田原駅舎との合築としたのだった。

この国鉄なり旅客鉄道会社が、地方公共団体や公的企業体に鉄道用地を提供しての駅本屋と公共施設との合築は1980年代に始まっている。財政の悪化していた当時に老朽化した駅施設の改築を迫られた国鉄と、その立地自治体との思惑が一致した結果であり、国鉄には輸送の縮小で遊休化していた資産の充当が可能となり、コンコースや待合室の共用により施設の簡素化の図れるメリットが在った。自治体や公益企業も施設を大抵は市街地の中心に位置した鉄道駅に併設出来れば、公共施設としての有利な立地条件が得られたのである。
1983年5月の陸羽東線羽前向町(現最上)の公民館との合築を最初の事例として、84年3月に磐越西線徳沢での簡易郵便局との例が続いて以降に全国的に波及した。この当時、羽前向町は要員配置駅であり、駅本屋部分も出札窓口を持つ駅務室に手・小荷物受付や休憩室に便所、浴室までも備えて、従来駅舎から待合室に旅客便所を分離したような規模であり、内部の区画も外観からも駅舎部分を明確に区別出来ていた。簡易委託の施行駅で規模のずっと小さい徳沢の例も然りであった。
ところが、この施策が旅客施設に占有床面積を要さない無人駅などに及べば、設計上やデザイン上に区別しない一体様式が現れる。公共施設側の規模が大きければ尚更に駅施設はそれに取り込まれ、建物の国鉄との財産区分は明確に為されているはずなのだが、まるで間借りをしているかのような形態が多くを占めた。

この生田原の事例もそれに属しよう。文学館・図書館は文化施設に相応しく大きな開口部に柱を配した石造り風の様式が採用されたから、規模の大きい上にとても駅舎には見えない。旅客施設には出入口から乗降場へ抜ける通路状の区画のみが充てられ、そこにベンチが作り付けられている。近年のカプセル駅舎や、ましてダルマ駅に比べれば遥かにマシであり、駅員無配置駅の機能としては十分ではあるけれど、峠越えの拠点であったかつての姿を知る鉄道屋にはどうにも侘しい。まして、東側に存在した営林署の土場に直結した貨物側線や、補助機関車の駐泊施設に転車台のすっかり取り払われたのは仕方ないにしても、肝心の列車はここの駅舎には不釣り合いな大きさの建物(ビル)の裏手にひっそりと着発するがごときである。
もっとも、大都市駅、例えば新宿にしても本来の駅舎位置に建てられた駅ビルに駅機能は収容されず、それは高架下にまとめられているのだから、要するには同じことと納得すべきなのかも知れない。

写真は生田原の下り出発信号機を越えて本線に進出する5091列車。苗穂から北見への急行貨物列車だった。
長い停車中に峠へ向けての投炭の行われて缶圧は十分に上がっているから、排気はほとんど蒸気である。勿論、最後部には9600の補機が付いている。

[Data] NikonF+AutoNikkor135mm/F2.8 1/125sec@f4 Y48filter NeopanSSS Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

こんにちは

遠軽町のHPのとあるサイトがリニューアルしたのでうろうろ見てましたら、生田原駅の旧駅舎がありました
http://story.engaru.jp/story/%e6%98%ad%e5%92%8c%e3%81%ae%e4%ba%a4%e9%80%9a%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e9%a2%a8%e6%99%af/

いまの生田原駅 立派すぎて圧倒されますが 地域の人には有効に活用されていて ただのハコではないみたいです

  • 2014/04/16(水) 13:12:55 |
  • URL |
  • Jam #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんにちは

この旧駅舎は良く覚えています。
待合室入口の階段に腰掛けて、持参の固形燃料で即席麺を茹でたりしたものです。
駅前広場は勿論、通りも土道でした。
駅から眺めた市街地は、急行列車の停まるような街とも思えませんでしたが、
今よりも活気の感じられたと記憶します。

  • 2014/04/17(木) 11:35:31 |
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  • Wonder+Graphics #-
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