"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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五稜郭 (函館本線) 1982

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函館本線の上り列車が桔梗を過ぎてしばらくすると整然と住宅の建ち並ぶ区画が左車窓に続く。かつて、そこには多くの線路が敷かれて上り本線はその東縁を通過していた。通称の五稜郭操車場である。また函館から下り列車に乗れば、五稜郭の構内を出るあたりで江差線の本線の向こうに分岐して往く単線の線路が見える。その先には函館3・4岸(*1)と呼ばれた青函航路貨車航送の有川航送場が存在していた。これら施設は五稜郭停車場の構内拡張とされて、ここは貨物輸送の重要拠点駅だったと知れる。

1925年8月1日を以てとされる青函間貨車航送の開始以来に貨物輸送量は激増を続け、同年度の年間464,632トン(*2)に対して1935年度には957,523トンと倍増、これには船腹の増強や民間機帆船の活用、函館・青森の陸上設備の改良にて対応して来たが、両駅とも能力は限界に達しつつあった。加えて、函館側においては1941年度に戸井線(未成)・福山線(後の松前線)の全通が予定され、北海道庁の第二期拓殖計画に基づく函館港の拡張も1946年の完工を目処に着手されており、貨車操配の増加は目に見えていたのである。これに対して計画立案されたのが、拡張余地のない函館構内に替えて五稜郭-桔梗間への操車場設置および港町地先有川地区海面への航送埠頭の築造であった。その構想自体は貨車航送開始の直後より語られ、1930年代半ばまでには具体化されていたと思われるのだが、実現を急がせたのは1937年に開戦した日中戦争から太平洋戦争の戦時下輸送であった。この「陸運転換」と呼ばれた国策と、両設備の使用開始への経緯については、Websiteの記事「戦時下の陸運転換と函館/室蘭本線の輸送力増強 」に詳述している。

有川航送場へは当然に五稜郭操車場との間にも通路線が設けられた。上下仕訳線の函館方で分岐し、R=240で右に回りながら1/80勾配(12.5‰)の盛土を構築して江差線と予定された函館線の増設線を乗越え、1943年9月に敷設とされる五稜郭から浅野町岸壁までの専用線(*3)に並行して有川に至る2キロ余りである。これには通路線としてばかりでなく、道庁や函館市が計画していた埋立地区への臨港線機能も担うべく航送場手前から南北への分岐線も計画されており、特に南側へは若松埠頭の拡張計画に前記専用線を海岸沿いに延長して、1927年からそこに存在した橋谷株式会社(*4)の倉庫専用線に接続するものであった。浅野町の岸壁へは敗戦間際に半高架式石炭積出桟橋が設けられ機能したとは記録にあるが、万代埠頭をへて若松埠頭(後に中央埠頭)への延長の時期は確認出来なかった。有川分岐の油槽所への専用線も含めて戦後のことであろう。北側への分岐も、これも戦後に貯木施設への専用線に実現した。
(この項続く)
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(*1) 函館構内若松岸壁1・2岸からの通し付番である。稼働当初には有川1・2岸と呼称された。
(*2) 輸送量データの出典は、青函船舶鉄道管理局の「航跡-連絡船70年の歩み」(1977年)による。以下同じ
(*3) 所有者・敷設目的は調べ得なかった。ここの倉庫街に通じたものと推定する。
(*4) 倉庫業者である。現在も同所にて盛業中。

この通路線は勿論、操車場でも有川桟橋でも写真は撮っていないものだから、本屋構内でのカットをご容赦願いたい。
列車は大沼からの通勤通学列車の624D。
ここでの貨物扱いは1980年5月に有川へ移転して、既に積卸線・積卸場ともに撤去されていた。操配線の貨車は三井東圧肥料(旧東京人造肥料)函館工場専用線への配給待ちである。

[Data] NikonF3P+AiNikkor50mm/F1.4S 1/500sec@f5.6 Fuji SC48filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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