"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

苫小牧 (室蘭本線) 1990

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苫小牧は室蘭本線上の拠点駅ではあるけれど、それほどに広大な構内規模を持っているではない。1892年8月1日の北海道炭礦鉄道による岩見沢-室蘭(現東室蘭)間開通に際して、開拓使勇払郡出張所が移転していた勇払郡字苫細の原野に開かれたこの駅の、その後の拡張は周辺の原野を得て1910年に立地した王子製紙(初代)苫小牧工場の荷主としての要求によりなされ、同時にそれに囲まれたがゆえに用地に限界のあったとも云えよう。

苫小牧市史に1911年に本屋を改築し跨線橋設置とあるのは、それの本格操業にともなう着発貨車の増大や旅客増に対応して構内の拡張を要してのことと思われる。海側所在の貯木場(*1)に達していた王子製紙専用鉄道を改めた苫小牧軽便鉄道が1913年に構内へ乗入れ(*2)、1927年の762ミリ軌間であったそれの国有化に際しては、構内に専用の機関区(追分機関庫苫小牧分庫)と工場施設(苗穂工場苫小牧派出所)が設けられ、1929年12月9日の改軌完成による室蘭線接続に併せては現下り用の第二乗降場の設置を含む構内の大改良が行われ、本屋側の1番線から9番線までの本線を擁する現況に繋がる規模となっている。軽便線の乗入れていたと思われる本屋隣接乗降場の使用停止、同線(1番線)の通路線化もこの際であろう(*3)。なお、用途を失った苗穂工場苫小牧派出所は同日付で廃止されるも追分機関庫苫小牧分庫は存続した(*4)。
いつの改良かは特定出来なかったのだが、上記本線に本屋西側の王子工場専用線の分岐位置に1番から5番上り仕訳線が、構内北側に1番から4番の下り仕訳線が、本屋東側に貨物積卸線2線ほか側線の整備された規模が戦後の1950年代までの苫小牧であった。1950年2月10日には機関区に隣接して苫小牧客貨車区が開かれている。
この頃には王子製紙の増産に加えて、戦後に接続した岩倉組の木材関連工場への専用線(*5)の扱いも増え、上記設備による下り198両/日、上り514両/日の仕訳能力に対して、操配車は1957年度に754両、1959年度には814両に達していた。特に下りの能力不足が著しく、1955年度でも280両を負担して側線は勿論のこと本線2番に貨物積卸線も仕訳に用いる有様であった。この事態に拡張の余地の無い構内を3.4キロ沼ノ端方の一本松地区に求めたのが、苫小牧操車場である。苫小牧工業港の開港に臨海工業地帯の開発とも関連するこれについては次回に続ける。

上記の1929年の改良以来の特徴的な配線には、日高線本線との進入・進出の1〜3番線限定がある。日高線は室蘭線の構内を抜けぬうちに南へ分岐していたから、特に同下り線との接続はその有効長確保からも困難だったのである。これが1962年12月1日に日高線が勇払方へ操車場構内まで室蘭線と並列に付替えられた以降にも改められないのは、そこに相互の渡り線を設備したゆえであるが、様似から札幌への急行列車は室蘭線下りへの併結に際して上り方への本線引上げを要して、些か不可解でもあった。(この項続く)
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(*1) 現在の王子総合病院、白鳥アリーナ、中央公園一帯を用地としていた。
(*2) 省線との連帯運輸の開始は1922年7月1日からである。貨車の直通のあり得ず、それは旅客・荷物に限られた。
(*3) この1929年度の構内改良は、1952年8月苫小牧駅発行の『開驛六十周年記念誌』(北海道道立図書館収蔵)によるが、少なくとも1927年から1636年の鉄道省年報には記録されていない。
(*4) この際に山側へ移転か?
(*5) 現在の株式会社イワクラ。1944年から53年に駅北側に製材・床板・合板・パーティクルボードの各工場を操業、専用線が引込まれていた。1958年には現在の三光町にパーティクルボードの第二工場を開設して、ここにも専用線が追設された。なお、現在では全ての工場が臨海部に移転している。

写真は、苫小牧室蘭上り本線に停車の2列車<北斗星2号>。
陽の短い季節には札幌近郊でも走行撮影は困難だったから、それは必然的にバルブになっていた。苫小牧のこの位置は王子製紙の工場構内が背景にとなるゆえ、それを写したくなければ構内照明の反射を取り込めるように列車との角度を浅く取った上で、バルブ時間を切り詰めるしかない。逆に取り込んでしまったカットなら 苫小牧 (室蘭本線) 1994 に在る。

[Data] NikonF4s+AiAFNikkor180mm/F2.8ED Bulb@f5.6 Non filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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