"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

上野幌 (千歳線) 2008

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以前に 上野幌-西の里信号場 (千歳線) 1998 から 上野幌-西の里信号場 (千歳線) 1996 まで13回に分けて続けた千歳新線にかかわる記事の補遺である。これも2回に分ける。

先の記事では、その構想ないし計画の当初に上野幌の移設は含まれていなかったことを述べた。旧線上の東札幌の前後に存在した延長の在る急曲線の除去と、補機を要していた上野幌-北広島間の勾配に曲線の隘路区間の解消は、同時期に計画されたにせよ異なる案件とされていたのである。従って、当初の千歳新線計画とは苗穂-上野幌間を指していた。

手稲の西方に広がる現在の札幌運転所は、札幌地区での将来の貨物扱いの行き詰まりを予測した鉄道省が戦前期に確保した用地に立地している。当時に増大していた札幌地区各駅での着発貨物に岩見沢(操車場)での中継を廃した列車の設定を想定して操車場を計画したものである。手稲-銭函間へ選定は、排水のなされた平坦な農地であったことに加えて、その先の小樽築港にも貨物拠点を擁したためであろう。一部に着工していたことが1947年に米軍の撮影した空中写真に造成工事の痕跡として見て取れる。
この用地の旅客操車場への転用は、戦後の早い時期には構想されたものと思われ、それは1956年度を初年度に札幌の旅客駅化とその機能強化を目的とした札幌地区改良計画の立案段階に、貨物移転の一案とされた貨物扱いを集約する場合の統合貨物基地と貨車操配施設の位置を、新たに用地取得を要するはずの桑園-琴似間としていたところに伺え、そこの旅客車検修施設(札幌客貨車区業務)の手稲-銭函間用地への移転も含まれていたと推定される(*1)。

戦前からの用地を旅客操車場としての新たな貨物拠点の立案は、国鉄が戦後に厚別地区の旧馬場農場を保有していたことと無関係では無い。上野幌 (千歳線) 1988 において、旧馬場農場の所在、即ち買収を要しない用地の存在を厚別川橋梁付近から既設上野幌への経路選定の動機と書いたのだが、見解を修正する。国鉄はこれを札幌市当局との取引、即ち換地の財源に用いたのである。
札幌市の関係文書を閲覧しないままの記述をご容赦頂きたく、それゆえに時系列の判然としないのだが、1950年に白石村を合併した札幌市は、この新たな郊外域に住宅地の開発を計画、当然にそこに広大な土地を保有した国鉄との協議にて、その旧馬場農場用地を取得し(*2)、代替地に提案したのが札幌市中央卸売市場の開設を予定した桑園地区なのだった(*3)。当時には琴似の集落までの間は農地が続いていた。
国鉄は、都心からの距離による荷主の不便(アクセス道路の未整備)を事由にここへの貨物拠点設置を見送るのだが、1962年の新産業都市建設促進法に基づく札幌市を含む道央地区の新産業都市指定にともなう札幌市による白石大谷地地区への物流拠点設置計画(*4)に際して、そこへの代替換地取得に繋がるのである。1950年代に住宅団地開発用地を欲していた札幌市と貨物集約施設の建設を構想していた国鉄との利害の一致した結果であり、国鉄は旧馬場農場用地を有効に活用したことになる。
(この項続く)
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(*1) 結果的に、この1956年度から1962年度まで継続した札幌地区改良計画からは見送られ、1964年に着工、1965年9月1日に札幌運転区として開設された。1967年度を初年度とした新たな札幌地区改良計画に含まれたものだが、1966年度からの電気車両の受入に先行した。千歳線の複線化にともない増加する列車回数には札幌駅の拡張が不可欠であり、そのためにも必須の施設であった。区所としては新設であり、札幌客貨車区の主要業務を引き継いだものの移転ではなかった。
(*2) 市営ひばりが丘団地として1959年から造成工事を開始。
(*3) この市場の開設は1959年12月である。
(*4) 札幌市による事業区域は現札幌流通センター240ha中の中核を成す流通業務団地の154haであり、1967年度から1978年度にかけて事業が行われた。

茜空に上野幌場内へと進入するのは、2列車<北斗星>。ほぼ20年を経て同位置、同じレンズの同一画角で撮っている。→上野幌 (千歳線) 1988

[Data] NikonF5+AiNikkor105mm/F1.8S 1/60sec@f2.8 Fuji LBA4 filter Ektachrome Professional E100GX [ISO160 / 0.5EV push] Edit by PhptpshopCC on Mac.

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