"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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沼ノ端 (千歳線) 2009

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1929年のこと、鉄道省は東京-下関間に運転していた特別急行列車の2往復への列車名付与を企画、一般公募により5583通の応募を得たと云う。同年9月15日のダイヤ改正を以て、この中から得票の最多であった<富士>を1・2等特急の1・2列車に、三番目の<櫻>を3等特急の3・4列車に命名し、国有鉄道に於ける列車愛称の嚆矢となった。
そして同年12月1日より列車名をデザインした表示板を列車の最後部に掲げ、これが所謂トレインマークの始まりとされている。初期は不明ながら1930年代後半の写真には、内部に電球を保持した行灯式に見て取れる。
時期は調べ得ていないが、鉄道掲示例規(1927年4月7日達第296号)にも「列車標(テールマーク)」として追加された。
列車後部への掲出は、1・2列車に連結の展望車デッキ部への装飾を強く意識したものと思われ、不連結の3・4列車も後尾とされた。両列車とも(最後部車の)形式も運用も限られたからほぼ車体の一部の扱いで半固定式だったろう。この戦前期に前頭側、即ち牽引の機関車への掲出はなされなかった。

戦後に特急列車の復活した1949年9月15日改正での<平和>もまた展望車に列車標を装備したのみだったのだが(列車標への表記は<へいわ>)、1950年1月1日にこれを<つばめ>と改称した際に、大阪鉄道管理局が主導して、浜松-大阪間を牽いた宮原機関区のC62(当初はC59)にも掲出されるようになった。列車標の前頭掲出の最初の事例であり、国鉄は1954年12月1日付にて「国有鉄道鉄道掲示規程」「同鉄道掲示基準規定」に指導標として列車標第一種(後尾用)と列車標第二種(前頭用)を明文化したのだった。
この列車標、通称のトレインマークについては、内地版の 大館 (奥羽本線) 1972 にも書いているのでご参照頂ければありがたい。

そこには書き漏らしたのだが、その際に大きさ・形状も第一種が直径80センチ、第二種が66センチの円形と決められた。何れも現物が先行したから、それを追認したものである。大阪局における66センチの経緯は分からないけれど、幹線用大型蒸気機関車に設置した際の納まりから、当時の工作職人の用いた尺貫法での二尺二寸(=約66.66cm)に落ち着いたものと推定している。
それは、機関車用列車標が電車や気動車の車体に埋込まれた電照式愛称表示器とともに「トレインマーク」として一本化された1973年9月29日付の規程改正にて、サイズ・形状規定の撤廃された後にも現在まで標準寸法である。

戦前からの客車特急を始め、当時に国鉄臨時車両設計事務所に勤務した黒岩保美氏による優れた仕事である1960年代の特急寝台列車の機関車用トレインマーク(当時の規定では、列車名標第二種丙号)の意匠は、その列車名称を図案化したものであったが、それから20年余りを隔てた1989年運転開始の<トワイライトエクスブレス>は事情が異なっていた。これの運用車両には前年の<北斗星>と同じく、車体装飾に1800年代後半の欧州における国際寝台車会社の保有車両に範を取ったと思われる紋章(emblem)が取付けられ、トレインマークはその独自にデザインされた紋章と統一した意匠とされたのだった。
ホルンと思しき笛を吹く古代ローマ風衣装をまとった女性のモティーフが黄昏急行とどう関係するものか、不勉強にして謂れを知らぬが、ことトレインマークに限れば愛称名の字体デザイン処理も含めて成功しているとは云い難い。
この列車には、寧ろエンブレムそのものを掲げた方が相応しかったのではなかったろうか。ただ、幸いなことに、青色20号塗色と云う愚行を犯した北海道旅客鉄道の機関車には、それが映えた。

写真は沼ノ端東方での8001列車。
こんな曇天なら尚更に存在感のある、鉄道屋には有り難いトレインマークには違いなかった。
画角の既出はお詫び申し上げる。

[Data] NikonF5+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/250sec@f4 Fuji SC39filter Ektachrome Professional E100GX [ISO160/0.5EVpush] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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