"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

北舟岡 (室蘭本線) 1996

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都市が、その外縁に向けて成長を続けるのは今に始まったことでは無い。高度成長期の三大都市圏や地方中核都市に顕著であったそれは、1970年代を通じて地方の中小都市にも波及した。近年には地域の総人口は減少しているにかかわらず、そこの経済の中心への人口集中化が進む。
それは他地域からの人口流入のみならず中心市街地からの移動をもともない、都市近郊の農地などが住宅地に転換されて往くのだが、とりわけ北海道においては、人の居住を拒んで来たような原野が一面に姿を替えて驚かされることがある。稚内市の東部や苫小牧市の沼ノ端地区、釧路市の行政境界を越えての釧路町域西部もこれの一例であろう。
周知の通り、この外縁膨張は、一方で既存市街地中心部の人口過疎化の要因でもある。大都市圏であれば、その資本集積により業務地域や商業地が代替して都市機能の充実の図られもしたが、地方都市にあっては商圏人口の限界から商業地もまた郊外に分散して、そこの空洞化が劇的に進行した。
加えて、広大で移動の時間的距離も大きい道内においては、地域内において多くの無人地帯を出現させることにもなった。中心都市の拡大と同地域での過疎進行は、同じ現象の表裏である。

都市外縁部で無秩序に開発の進んでもたらされる都市側の諸問題に限れば、それの波及の遅かった道内の地方都市では時間的猶予から対策の有効に作用した事例が多々あり、ここ伊達市をもそのひとつであろう。
委細は省くが、1970年代初頭に弄月川西側に留まっていた市街地を越えて舟岡町側への町営団地建設を契機に、1976年度より弄月町を含む同地区における土地区画整理事業に着手し、街路に学校や公園用地を確保しつつ行政主導の都市計画として開発を推進した結果、良好な住環境の住宅地が生まれ、都市規模的に既存市街地近くに残っていた農地を転用して核となる商業施設の誘致にも成功し、それは旧市街と新市街のほぼ中間付近に位置することになった。
1970年に3万人台に到達以来、2004年に3万5千人あまりを記録した伊達市人口は以降に減少に転じたものの、2012年度末でも34993人(住民基本台帳による ※旧大滝村域を除く)を維持して、舟岡町・弄月町はその25%に当たる8780人の居住する一大住宅地となっている。また、同市の推進する内地や道内各地からの移住・定住の受け皿宅地としても実績を挙げている様子である。
この地域の比較的若い世代の多い人口構成を背景に、北舟岡は室蘭方面高校への通学駅として利用を伸ばしている。朝の時間帯にはここへの自家用車での送りに一時の賑わいを見せるのだが、通勤や昼間の用務利用にまで至らないのは、国道を往くバスに比しても少な過ぎる列車頻度であろうか。

短い夏の名残の頃、噴火湾の風と空に季節は傾く。
列車は、8002<トワイライトエクスブレス>。

[Data] NikonF4s+AiNikkor50mm/F1.8S 1/500sec@f5.6 Fuji SC40M filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.
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コメント

こんばんは。
こちらにもコメントを入れさせて頂きます。
鉄道にもっとフレキシビリティを、と思うことが多々あります。私はこの地に触れたことはありませんが、あたかも自家用車のように自由な鉄道がここにあれば、住む人は鉄道を使うと思います。
なぜ室蘭方面へのシャトル便が走らないのか、人が少ないのであれば、なぜもっと小さな気動車が開発されないのか、できるはずなのにやっていないこと、たくさんあると思っています。
富山では、鉄道を路面電車サイズに縮小する試みがありました。四国やもう少しで北関東で蓄電池で走る電車が走ります。私の勤務先のすぐ横には完全自動運転の新交通が走っています。
これらの萌芽を無駄にしたくないと切に願っています。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

  • 2014/01/22(水) 23:02:00 |
  • URL |
  • 風旅記 #O7xVy9HA
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんばんは。
いつもありがとうございます。

地方都市圏で「クルマが無いと生活出来ない」と良く耳にしますが、公共交通の廃止されてしまったような過疎地ではありませんから、決してそんなことは無いと思っています。1時間に1本のバスを待てないだけで、30分に1本なら待てるか、と云えば、そうでもなく、結局のところ自家用車移動に慣れ切っているだけに見えます。
そして、その人達は歩かないのです。
首都圏での交通網は確かに自動車に頼ること無く移動を可能としていますけれど、電車を降りれば目的地まで結構な距離を歩くことも多々あります。おそらくは、首都圏にお住まいと思われる風旅記さんもそうではありませんか。
富山県内高山本線にて行われていた頻発運転による社会実験にしても、周囲が工業団地である仮停車場だけは残りましたけれど、それに見合うだけの旅客増加は得られなかったようです。
ここでの交通問題とは、自家用車の普及と云うよりも、実は地方都市の人々が歩かなくなったことにあると思われます。

  • 2014/01/24(金) 01:13:07 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
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