"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

音別 (根室本線) 1999

ombetsu_03-Edit.jpg

基本的に時事ネタは取り上げぬつもりではある。けれど、先に禁を破って 七飯 (函館本線) 1988 に書いた危惧が現実となりつつ在る様相ゆえ、続編としたい。

先日の北海道新聞のスッパ抜き(2013年12月5日付経済面)によれば、北海道旅客鉄道が2015年度以降に新製を計画するキハ261系車両の28両に対して、同系列が本来に装備する車体傾斜機構の搭載を見送る方針であると云う。同記事の推測通り製作費の低減と高速運転による軌道破壊、それの保守費削減を意図してのことと思われる。2015年度以降とは、新幹線の函館開業を見据えての車両計画であろう。
この報道にて、訝しく思っていた2013年11月1日改正における釧路特急のみの最高運転速度の110km/hへの抑制を納得した。先の記事で指摘したように、北海道旅客鉄道は少なくとも札幌-釧路間に限れば、運転縮小と到達時分延長にともなう旅客の離反を前提に、それによる運転・保守の経費低減からの収支均衡を図る方針を選択したと見て良い。2015年度には北海道横断自動車道(道東道)の釧路インターまでの開通が予定されており、これは一種の敵前逃亡に等しい。
過日の北海道新聞(2013年9月7日付経済面)は、減便・減速ダイヤの釈明に釧路市を訪れた同社幹部による「新車導入」発言を伝えて、増備の261系はここに投入されるものと推定される。110km/h運転とは車体傾斜装置を稼働しない運転を前提としたものだろう。
個別の形式を考慮しない概算ではあるが、1往復を削減した現行ダイヤでの283系の車両需給は、57両の配置に対して26両の使用である。これには、函館方面と帯広特急からの撤退による予備車が過大に含まれている。この運用を261系の28両に置替えても、配置-27両/使用-15両の帯広特急運用と予備車を共通化すれば予備車率25%を確保出来る。

背景には、新幹線函館開業時点を予定したハイブリッド方式特急車の製作に技術面からも資金面からも目処の立たぬ事情があるものと思われ、釧路特急から捻出の283系-57両は、経営資源を集中化すると見られる函館方面に転用されるのであろう。速達の要求される新幹線接続には、自己操舵台車を活用して曲線通過速度をさらに向上した130km/h運転への復帰は欠かせぬ要件である。57両の配置は、予備車率26%に当たる15両を差し引いても、6両組成の7本運用とすれば1時間ヘッドと予想される新幹線に接続する12往復運転が可能である。
この時点で、さらなる増発に281系の1編成を温存するかも知れないが、おそらく、それの27両は稚内と網走方面へ現行で22両使用の183系置替に転用されて、使用休止中の函館方面運用も含めてそれを淘汰する計画と推定する。
ここからは、183系500/1500番台の出火原因が特定されても大幅な改修を施工する意思の無いことも明らかであり、現在の使用停止措置は廃車前提の休車措置に等く長期化するであろう。

繰返すが、釧路方面に克明となった、この2013年11月改正ダイヤの固定化は輸送の前線からの撤退を意味する。1987年の民営会社発足時には、「国鉄改革」を内部から推進した「声の大きい」者達が功労賞的に各社の経営幹部に就任した。以来、四半世紀を経過してその後を引き継いだのは、「もの言わぬ」ことで新会社に採用された、当時の中間管理職である。この者達による、高速道路開通を前にした縮小再生産型の施策が、どれだけ鉄道会社としての活力や、その源たる従業員の士気を奪うことか。自明である。
加えて、国鉄民営化時の反動中曽根内閣に優るとも劣らぬ、安倍右翼政権には将来の北海道旅客鉄道の東日本会社への吸収・統合を画策する動きの伺える。同社も同意せざるを得なかった技術社員の長期派遣は、その布石であろう。「国鉄改革」の本質とは、国民の購い続けた国鉄資産の収奪と労働運動の分断であったから、「民営化」の目的が達成されれば「分割」は目眩ましだったのである。政権党有力者の懐を潤すには巨大企業が好都合に違いない。

写真は、183系500/1500番台にて運用されていた当時の4010D<おおぞら10号>。既出画角の冬期ヴァージョンにご容赦を頂きたい。
車体傾斜制御を行わない261系の走行性能は、ほぼこれと同一である。線形の良い千歳・石勝線内では最高速度120km/h運転、新得以遠は283系導入時の軌道改良を幸に、183系運用時へ15〜25km/hを上乗せした110km/hとなる。但し、曲線制限を各所にて受けよう。

[Data] NikonF5+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/250sec@f5 C-PLfilter Ektachrome Professional E100SW [ISO160/0.5EVpush] Edit by PhotoshopLR4 on Mac.

関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/566-9f834dfd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad