"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

常紋信号場 (石北本線) 1984

jomon_11-Edit.jpg

常紋信号場 (石北本線) 1998 から続く

湧別軽便線の常紋郡境区間に、現況で金華から熊の沢川の谷の標高差およそ100メートルを遡り、延長506.9メートルの常紋隧道内での施工基面高345M10を頂点に八重沢川の谷に出て、生田原まで167メートルを下る経路の選定された事由は調べ得ていない。
『遠軽町史』は、湧別への鉄道が網走分岐によるオホーツク・サロマ湖沿岸経路が有利とされた当初の踏査結果を覆すため、1910年の融雪期から誘致関係者自らが山中に入り好適な経路を発見し、その調査資料をもとにした改めての関係官庁への陳情や議会への請願が認められ、鐵道院による再踏査の行われたと書くけれど、それが現況経路であるのかは分からない。

ムカ原野のルペシュペからイクタラ原野へは、パナワルペシュペ川(東無加川)を遡り一旦サロマ原野奥地に至って旭峠を越える経路か、ポンムカ川(奔無加川)から直接にイクタラ川(生田原川)流域への経路の他に考えらないが、前者は後世に「囚人道路」として名高い北見道路が開削されていた経路であるものの、その迂回延長と二度の山越えから当初より排除されたと思われる。後者にて、現況の熊の沢から八重沢に抜けるので無ければ、奔無加川から支線沢に抜ける経路しか考えられぬから、当然に調査され比較対象とされたであろうと思われるのは、奔無加川の谷を上り金華峠を経て生田原川の流域へと達する現国道242号線の経路である。当時には踏分道程度は在ったかも知れぬが道路の通されていなかったのは、熊の沢経路と同等であるけれど、国土地理院の地形図に当たるだけでも、素人目にはこちらの方が地形は緩やかで、隧道も抗口を基面高330メートルあたりに置いてなお、延長500から600メートル程が可能に見える。ここでも25パーミルは避け得ないだろうが、その総延長は短縮され、また曲線も緩和されただろう。これの不採用は、些か延伸する距離と隧道延長を嫌い、土工工事と資材の増加、工期の延伸を回避したものだろうが、石北本線の現状に鑑みれば後年には禍根を残したと思われてならない。

常紋隧道の工事は1912年6月に両抗口より着工して同年12月に導抗が貫通、直ちに路盤工事を終えた留辺蘂からの軌道工事に着手の上1913年2月に完了させ、これを隧道覆工などの資材搬入に活用して1913年10月には竣工した。これを以て、この下生田原(現安国)までの区間の工事はほぼ終了したのだが、『湧別線建設概要』には「時局の結果事業繰延の影響」にて開業を延期したとある。この延期期間中に設置を決定したのが、常紋隧道南口への停車場であり、山中に付きそれは信号所とされた。後の常紋信号場である。奔無加-上生田原間15キロでの行違い線や勾配運転の補機の解結に給水の必要が見直されてのことであった。それの当初計画に含まれなかった事実は興味深い。
1914年6月より土工工事に着手して、同年10月2日のこの区間の開業に間に合わせている。正に速成と云うべきか。
以降各年度の『鐵道院/鉄道省年報』を読めば、補充工事の項に常紋隧道の名が散見される。低予算の速成工事には、今に云う保全工事や追加工事も多々要したのであろう。1930年度には「常紋信号場線路移設その他工事」との記述もある。

もっとも、鐵道院とすれば旭川-網走間連絡線の本命は、名寄経由ではなく石北峠に長大隧道を穿って留辺蘂に至るものと想定し、この湧別軽便線も一時に幹線と機能するもいずれは支線化すると考えていた節も資料には伺えるけれど、それの確証を得るには至っていない。結果的に、石北線は北見峠を越えて湧別川流域を東進し、この常紋郡境区間は幹線上に残ることになったのだった。
(この項終わり)

写真は、峠を金華へ下る1557列車。本務の旭川区DD51、補機の北見区DE10は無煙化以降の常紋越えでの正調形態だが、これは1985年3月改正でDD51での通し仕業に変更されて、峠からDE10の姿が消えた。

[Data] NikonF3P+AiNikkor180mm/F2.8ED 1/250sec@f5.6 FujiSC48filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.

関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/565-c5c8f183
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。