"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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沼ノ端-遠浅 (室蘭本線) 1968

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北海道炭は京浜工業地帯の重要な動力源であり、1937年の日中戦争以来の戦時下に至れば、最優先の輸送体制が敷かれる戦略物資ともなり、戦後には復興とその後の経済成長を支える資源であり続けたのである。それの室蘭港までの輸送路として計画された室蘭本線は、1892年8月1日の北海道炭礦鉄道による岩見沢-室蘭(*1)間開業以来、永きに渡り運炭の重要幹線として機能した。
1962年度のデータによれば、105億円の収入に29億円の利益を計上して営業係数72の大幅な黒字線であった。収入の87億円が貨物営業にて確保され、大半が石炭輸送によるものである。列車回数も旅客の67本を貨物が76本で上回っていた。

ここに運転された運炭列車の当初の姿は僅かに残された写真に伺うのみであるが、山元から室蘭へ向けての下り勾配と長い平坦線形を活用して大単位の輸送に特質が認められる。国有鉄道がこれを買収した直後の1907年には、機関車もまだ非力であったこの時代でも既に1200t牽引の記録があり、おそらくは9200形あたりの牽いたものと思う。1917年に後に主力となる9600形が配備されると、その翌年に試験的ではあるが3000t列車(*2)を運転し、これはD50やD51配備後の常態での2400t、最大2800t牽引に繋がって往く。
2800t列車とは、30トン積石炭車のおよそ60両で組成され、列車長は500メートルを軽く越える。それは途中各停車場の本線有効長を上回り、山元側発駅から室蘭までを原則的に無停車で直行する列車であった。
前に 恵比島 (留萠本線) 1972 にも書いたけれど、室蘭本線に限らず、運炭列車は機関車の交換や途上での給水を除外すれば山元の発駅から積出港の着駅まで原則的に無停車で運転した。それは石炭定数と呼ばれた独自の牽引定数により経路上各停車場の本線有効長を越えて貨車を組成するからで、同組成で戻る返空列車も含めて列車交換に停車することの無い「殿様列車」なのだった。遅延などにより交換のために停車しても、当然乍ら本線を支障して停まる。室蘭-輪西(現東室蘭)間が早くも1910年に複線化され、苫小牧-追分間に幌別-敷生(現竹浦)間を1926年までに複線運転としたのも線路容量の行き詰まりと云うより、当時に計画された2000t運炭列車同士の行違いの必要からであった(*3)。

この1968年は、前年の「第三次石炭政策」の基本方針に示された「経営基盤回復対策と、ある程度の需要確保策を講ずれば、今後とも5,000万トン程度の出炭維持は可能」との政府の空手形に、大手炭礦が体力をすり減らしていた時期に当たる。大規模炭礦の所謂「なだれ閉山」の始まるのは、翌年に発表の「第4次石炭政策」に「安定した出炭・供給体制の構築」を基本方針と掲げながらも初めて生産目標が明示されなかったことによる。
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(*1) 現東室蘭。但し位置は異なる。
(*2) 当時の24トン積石炭車75両組成
(*3) 幌内鉄道としての開業した南小樽(開業当時の開運町)-岩見沢間が1911年までに全線複線となったのも、2000t運転では無いものの同様な事由による。

写真は、この頃には本数もかなり減っていた運炭列車。沿線に待ってもなかなかそれのやって来なかったのに落胆したものだった。これは清水沢から苫小牧操車場への5792列車。それの積出港も掘込み式新港の稼働で輸送距離の短い苫小牧に移っていた。もはや2800tの長編成など神話の世界であった。

[Data] NikonF+P-AutoNikkor5cm/F2 1/250sec@f8 Y48filter NeopanSSS Edit by PhotoshopLR4 on Mac.
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コメント

こんばんは。夕張岳が良く見えてますね、朝から晩まで一日中見えているのは稀なんですよ、何か所か撮影場所は見つけているのですが。

  • 2014/01/22(水) 21:05:30 |
  • URL |
  • taisho100nen #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんばんは。
これを撮影した時に、遠景に見える雪山には気がついていましたが、
それを夕張岳と知るのは、随分と後のことです。
マスクを掛けて焼き込もうか、とも思いましたが、
空が荒れそうなのでやめています。

  • 2014/01/24(金) 00:30:03 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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