"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

苗穂 (函館本線/千歳線) 2000

naebo_16-Edit.jpg

東日本旅客鉃道が1998年度末に新製したE26系列に属する各形式車は、日本の鉄道における客車の最終形式と思われたけれど、2013年度に至って九州旅客鉄道に77系列客車が登場した。客車史の新たな一行を喜ぶべきだろうが、心境は複雑ではある。とするのは、それが近年に顕著となった新たな形態の旅行需要に対応した極めて特殊用途の車両群であるからで、やはり一般的な旅客営業車両としての客車史はE26系を以て終わったとして良かろう。
もっとも、これで組成された<カシオペア>の全てを二人用個室式A寝台とした運転にしても、移動の必然による従来の夜行列車ではない。寝台の個室式化は新製時点の旅客嗜好から当然としても、一人用やB寝台の用意されなかったことが、それを物語る。

この仕様決定がどのようなマーケティングによるものかは知らないが、存在した個人需要には、2人用個室-販売名カシオペアツインの1名利用を前提とした企画券の設定にて対応がなされていた。1999年夏の運行開始から最初に迎えた秋冬の閑散期に乗車効率の芳しくなかったものか、その時期の空室対策と云う消極的な事由乍ら、2000年度の最初の全検を出場後の12月17日から3月31日の乗車分にまで発売された「カシオペアシングルユース券」である。
寝台券・特急券の効力を持つ,¥19450の発売額は,これまでの個室寝台料金に加えて定員分の特急料金も要していた1名利用に対して極めて低廉な設定であった。おそらくは<北斗星>の一人用A寝台個室-販売名ロイヤルを意識しての価格設定だったろう。ただし,本来の定員利用に配慮して,発売開始を利用日の2週間前に制限し,その際に空席のある場合にのみ発券された。東日本と北海道会社の企画券ゆえ、他の旅客鉄道営業窓口では取り扱われず、そこでは旅行会社に限られた。
これは、2001年度にも10月20日から3月31日乗車分までに価格を¥19400に改めて設定され、さらに2002年度にかけて夏期繁忙期を除いた4月1日から6月30日、9月17日から全検入場による運休前の11月13日までの乗車分に継続発売された。

設定の定着するものと思われたのだが、残念乍ら2003年度以降には発売されなかった個人利用の企画券は、2005年に「カシオペアひとり利用券」として再設定される。けれど、これは北海道旅客鉄道単独の企画券で上り列車での設定のみとなり、価格を¥19800に改訂、その期間も2005年1月8日から4月25日の乗車分に狭められて、発売個所も道内に限られたのだった。よって、内地からの旅行者に決して利用し易いものとは云えず、肝心の道内でも駅頭やチラシ等にて積極的にプロモウションされるで無く、閑散期の空室対策とも云えなかった。それでも、2010年まで毎年1月10日前後から4月20日前後までの設定がアナウンスされていたのだが、2011年以降には無くなっている。
<カシオペア>の予約状況を東日本旅客鉃道の専用サイトに見れば、夏期の旅行シーズン以外は空室を持って走ることの多いのが伺え、下りを含めた再設定を望むところである。

写真は、薄暮の苗穂へ進入する8010列車。既出の画角をお詫び申し上げる。
札幌駅の南口総合開発ビル(後のJRタワー)は着工していたけれど鉄骨は立ち上がっていない。その替わりに「そごう」のネオンサインが健在。

[Data] NikonF5+AiNikkorED300mm/F2.8S 1/125sec@f4 Fuji LBA2filter Ektachrome Professional E200 [ISO400 / 1EV push] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

関連記事

コメント

駅寝

こんばんは。
カットに見えるそごうは札幌駅前店でしょうか。
1986年、学生時代のバイク旅行で札幌駅の軒下で他のミツバチ族と雑魚寝しました(当時の写真をやっと見つけ、懐かしく思います)。
また、駅トイレの各洗面台には蛇口が二つ有り、片方からはお湯が出た事に感激した記憶があります。

  • 2014/08/10(日) 19:37:50 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

Re: 駅寝

こんばんは、景鉄さん。

札幌そごうの閉店、撤退は2000年の12月。駅ビルESTAの核店舗でしたから大きな話題になりました。
景鉄さん、Riderだったのですか。撮影地点へ向けて国道とか延々と歩いてますと、RiderにもBikerにも挨拶されたものでした。
坂道だったりすると、こちらとしては息切れして手を振り返す余裕もなかったりしましたけれど。

  • 2014/08/11(月) 00:41:59 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

駅寝2

たびたび失礼します。
大学~社会人数年の間、250ccのヤマハに乗っておりました。
関東でのツーリングではバイク同士擦れ違っても挨拶は全く無いのですが、道内では見知らぬライダー同士が擦れ違う際に必ず手を挙げての挨拶がありました。この挨拶は、自転車、徒歩旅行の方にもしていましたね。
貧乏旅行でしたので、札幌駅、稚内駅、旭川駅の軒下で寝袋で寝ていました。
廃線後の北見相生駅の官舎もライダーに無料開放されていましたので、ここをベースキャンプに道東を走ったものです。
北海道では内地から来たライダーをミツバチ族と称し、歓迎いただいた感がありました。

  • 2014/08/11(月) 21:50:11 |
  • URL |
  • 影鉄 #-
  • [ 編集 ]

Re: 駅寝2

度々にありがとうございます。
以前の相生線のお尋ねは、そういうことだったのですね。
1970年代の初め頃、まだカニ族の時代ですが、駅前広場などでの雑魚寝にはバイク屋も自転車屋も一緒だったものの、
この二つのグループは決して合席することがなかった(と見受けた)ものですから、相性が宜しく無いのかと思ってました。
鉄道+徒歩の私なぞは、どちらからも宴会(酒盛り)にお誘いいただいたものでして。

  • 2014/08/12(火) 00:25:06 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/547-9b80fc89
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad