"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

黄金 (室蘭本線) 1996

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鉄道のエンサイクロペディア、1958年に国鉄の発刊した『鉄道辞典』によれぱ、鉄道林とは「樹木の特有な保安的機能を利用して、線路および建設物等の災害発生の根源を断ち、列車運転の安全をはかるために設置育成された森林または買収した既設林」と在る。道内で鉄道林と云えば、吹雪防止林や雪崩防止林などの防雪林が一般的であろう。道央から道北、道東の各線沿線には防風林も含めてその例は多い。
雪原ならば程良いアクセントになり、良いポイントの見つからずに線路際からとなれば、背景の空に抜けるのを遮ってくれて重宝したものである。

室蘭本線の稀府から黄金の丁度中間あたり、長万部起点61K600M付近から63K500M付近までには、室蘭本線沿岸区間で何故か静狩付近とここだけの鉄道林がある。
それは防雪林に在らず、防風林もしくは飛砂防止林と思われるが、どちらなのかは分からない。海側と山側の両側への設置は、おそらくは双方を兼ねて育成されたものだろう。この区間だけが特に砂害の生ずるものか、育成の記録は無いものかと幾つかの資料をあたったけれど記載はなかった。それが途中150メートルばかり途切れるのも不可思議ではある。
何れにせよ、そこを線路は直線的に通過するだけなのだけれど、海・山側とも道路が並行して住宅も点在する凡庸な沿線を鉄道林が遮断して、雰囲気の在る閉鎖空間が構成されていた。つまり、それは余計なものが画角に入り込まずに、必要なものだけが写り込むことを意味して、それ目当てに幾度か通っていた。「必要なもの」とは真狩山(後方羊蹄山)である。
稀府からの直線区間を正面気味に画角に切ると背景は有珠山になる。その先でR=804の曲線にて右に回って、この鉄道林区間に入れば、その後側に隠されていた真狩山が姿を現す仕掛けなのである。空気の澄んだ秋冬期には、それは鉄道林の上に浮かんでシンプルな画角に収められた。

ここは、おそらく保線用と思われる側道も通じていて歩きも楽しめたし、何より林の中に腰掛けて高速で駆け抜ける列車を眺め乍らコーヒー沸かすのは至福と云えた。
真狩山を背景に防風林を駆け抜けるのは、5005D<北斗5号>。沸き立つ陽炎が鮮鋭度の邪魔をする。

[Data] NikonF4s+AiNikkorED300mm/F2.8D 1/500sec@f4+1/2 Fuji SC40M filter Ektachrome100PLUS (EPP) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.
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コメント

北斗

こんばんは。
今、一連の問題の渦中にある車両ですが、疾走しているであろう姿はやはり魅力的に映ります。
長年の酷使で傷んだり疲労したりしていたものと想いますが、人口密度の極端に薄い区間を、言葉通りに走り抜けるのは、北海道の鉄道の、今昔変わらぬ魅力ではないでしょうか。
北海道に着くと、あちらもこちらも行きたくなってしまい、一箇所で腰を落ち着けて撮影することなく、今まで来ました。
お写真を拝見し、確かに、やがてくる列車を待ちながらコーヒー(アイリッシュコーヒー?)を飲む時間、素敵だと感じた次第です。いい時の流れですね。
追伸
北浜駅へのコメント、拝読致しました。雑文ながら、私も自分なりの考えを記させて頂きました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

  • 2013/12/09(月) 20:45:34 |
  • URL |
  • 風旅記 #O7xVy9HA
  • [ 編集 ]

Re: 北斗

こんばんは。
コーヒーは好きなのですよ。
豆や産地に拘るで無く、それは安コーヒーで構わず、セットした撮影機材の傍らでコポコポと湧かすのが好きなのです。
かつては、あちらこちらとポイントを移動したものですが、大方の位置は撮り終えて承知していますので、
それからは、同一位置に腰を据えて太陽の移動に変化して往く光線を楽しむような撮り方をしています。
ですから、近年のごとくに、ことごとく撮影地点に人の集合するような事態には困惑している次第です。

  • 2013/12/09(月) 23:51:15 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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