"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

千歳空港 (千歳線) 1988

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夕張 (石勝線) 1989 の続きである。

追分線は1965年12月28日に路盤工事認可を得て、1966年1月に延長1954メートルの第一追分隧道から着手して1967年度内には路盤の大半を完成し、1968年10月改正時の先行開業を予定して、大方の軌道の敷設も同年度内に終えていた。
ところが、石狩・十勝連絡線としてばかりでなく夕張地区と道都札幌の短絡機能も十分に認識していたはずの国鉄は、炭礦の衰退にともなう旅客流動の減少や道路交通への転移から、追分線区間のみの単独経営を困難と見て公団からの引き取りを拒み、新得までの全線の同時開業に方針を転換してしまう。
その紅葉山線に狩勝線も当初の1975年度の開業予定が、70年代前半の所謂石油ショックや政府による総需要抑制策などにて工事が遅延し、国鉄の緊縮財政下における要員問題など様々な事情も加わって延期が重なり、ほぼ完成していた追分線の施設は放置され続けることになった。

その認可書類図面を閲覧せずに書いているので、千歳線との分岐点とされた停車場の計画時の呼称や施設上の設置位置は調べ得なかった。鉄道建設公団と国鉄北海道支社は、1968年10月の線路開業時にここへの駅設置を予定して「千歳空港前駅」を仮称としていたようである(*1)。ところが国鉄本社における空港連絡は時期尚早との判断にて信号場とされた経緯が在る。
構内規模はほぼ現行位置であろうが、後の設置の本屋位置は空港ターミナルビルとの連絡橋にて選ばれたから施設上の中心線は移動したはずである。計画では分岐線を中線として将来の千歳線(複線化)増設線がそれを乗越す配線とされていたのだが、その盛土は当面に構築されず、1968年11月25日に使用を開始した増設線は地平に既設線腹付けで建設され、追分線の敷設線路はその傍らに並行して延ばされたまま放置されていた(*2)。
線路は千歳線と接続されていないから信号場の実体は無いのだけれど、その用地と地点は永く千歳空港前信号場と呼ばれていた。その国鉄部内での論争を含む紆余曲折の末の空港連絡駅としての開業は1980年10月1日であった(*3)。

10年以上も放置され続けた追分線も一年後の1981年10月1日に、ようやく石勝線として開業を迎え、それに際しての起点は千歳では無く千歳空港に置かれた。開業の時差から、ここが石勝線分岐の信号場であったことは運転上も施設上にも一度も無かったことになる。
(この項終わり)
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(*1) 石勝線工事誌は、これを最初から千歳空港停車場と記している。
(*2) 千歳線増設線(下り線-上り運転線)との立体交差施設は、その後1970年までに建設された。
(*3) 委細は省くが、1968年の追分線開業時、そして1975年度とされていた石勝線開業時にも見送られた駅の設置は、国鉄部内での議論整理の後、再度旅客駅化を決定したものの、要員問題を理由に再び中止されてしまう。これには、当時に建設の始められていた新千歳空港の開港が当初に1970年代後半を予定していたことも一因と思われる。至近にあった千歳空港ターミナルが移転となれば投資は意味をなさないからである。結局は開港が80年代半ば、新ターミナル完成が80年代末以降にずれ込むことが明らかとなった1976年秋に至って設置に踏み切ったものである。再々度の事業計画変更の認可を1979年9月27日に得て、同年12月に着工した。

=主な参考文献=
北海道鉄道百年史 : 国鉄北海道総局 1976-1981
札幌工事局七十年史 : 国鉄札幌工事局 1977
石勝線建設工事誌 : 鉄道建設公団 1982
増補千歳市史 : 千歳市 1983 
北広島市史 : 北広島市 2007
千歳市石勝線関係資料

下り本線のー番線(当時)に停車の711系電車は、3785Mの快速札幌行き<空港ライナー>。
北海道旅客鉄道は、1988年7月20日の新千歳空港開港を控えた同年3月13日改正にて、従来の優等列車の輸送力を活用していた空港連絡を見直し、札幌-千歳空港間に大幅に快速列車を増発し、これを<空港ライナー>と称した。

[Data] NikonF3P+AiNikkor50mm/f1.4S 1/250sec@f8 Fuji SC52filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.
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