"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

苗穂 (函館本線) 1991

naebo_09-Edit.jpg

苗穂 (函館本線) 1996 の続きである。

苗穂駅にかかわる新たな資料を閲覧したので、これまでの記事の補遺および訂正としたい。
ひとつは、1958年度に行われた札幌地区改良工事の資料である。
この改良は、札幌の機能が旅客・貨物とも限界に達したために計画されたもので、札幌の貨物扱いを桑園・苗穂・東札幌に分散吸収させ、着発線容量を緩和して構内作業の隘路を解消し旅客列車の増発を図ることを目的としていた。
苗穂には、札幌地区における小口扱貨物の全ての集約化と札幌から札幌用品庫関係と石炭専用線扱いを除く特殊扱い貨物(*1)の移転が計画されていた(*2)。これにより苗穂では、年間で40万トン余りを想定する扱いに駅本屋西側の貨物積卸ホームを幅11m・延長140mから15m×180mに拡大し、さらに15m×110mのホームを新設、上下の仕訳線群の増設も行われた。その後から現在までの用地規模はこの際に決定されたことになる。完成は1958年6月と記録され、同1日付にて札幌駅は旅客駅となっている。
そこに添えられた工事完成時の構内配線図には本線列車運転の7線が見て取れる。本屋に接した1番線から下り仕訳線群に隣接の7番線までであり、それぞれの使用方は以下である。
 1番 - 東札幌小運転線(*3)
 2番 - 通路線(*4)
 3番 - 千歳線上下副本線
 4番 - 函館上副本線
 5番 - 函館・千歳上本線
 6番 - 函館・千歳下本線
 7番 - 函館下副本線
加えての、南側に1・2番線に接続して上り仕訳線の5線と北側に下り仕訳線の9線が専用線接続側線を除く苗穂駅配線の全てである。当時に一面のみだった島式乗降場は当然5・6番線に面していた。
興味は駅本屋に接した1番線に乗降場の存在だが、この図面からは読み取れない。その東端には行き止まり線が1線あり、これが前年まで定山渓鉄道の電車が着発していたホームであろう。既に営業線でないためか番線表示は無い。

この1958年当時の図面と、同時に発掘した1966年時点での構内配線略図、および1947年の米軍撮影の空中写真からこれまでの記事を訂正する。
1935年から36年にかけての貨物設備増強工事に際して移設、改築されたと思われる駅本屋は、同じく移設の北海道鉄道札幌線着発乗降場と一体に建てられたことは、それから10年後に撮影の空中写真に見て取れる。
本屋西側に貨物積卸施設が隣接して、乗降場は本屋位置から東側に延長を持っており、現在の改札口付近から駐車場に転用されている敷地の東端に至っていた様子である。そこには機関車牽引の混合列車の発着したものであろう。その島式ホームの向かい側が行き止まり線であり、単行のガソリン動車に使われたと思われ(*5)、後年には架線しての定山渓鉄道列車の乗入れ線である。1958年の配線略図は前述のとおり1番線の状況は読めないものの、ほぼこれを裏付けていると見て良い。
これの7年後、1965年9月25日の札幌-苗穂間3線化に際して島式乗降場の一面を増設した以降を示す1966年の図面では、島式ホームから本屋側に線路は6線を数える。これは、前に推定したとおりに不要となった旧札幌線ホーム(*6)を取り壊し、そこに貨物関連の1線を増設したものと思われ、乗降部の無い乗降場を土台に本屋の建つ現状に一致する。また、この際の増設乗降場はやはり現在の岩見沢・千歳方面ホームであろう。(この決定的な資料はまだ見つからない)
前回記事の1960年代に実見したホームから本屋側に5線の線路は、見誤りか記憶違いと云うことになる。
この時点での本屋側からの各線使用方を記して置く。島式ホームに面するのは3番から6番である。なお、操配線の番線表記は記されておらず、以下は便宜上の区別である。
 操配1番 (使用方不明)
 操配2番 (使用方不明)
 操配3番 (使用方不明)
 1番 - 千歳上下副本線
 2番 - 函館上副本線
 3番 - 千歳上本線
 4番 - 千歳下本線
 5番 - 函館上本線
 6番 - 函館下本線
 7番 - 函館下副本線
* 脚注は追記にある
(この項 苗穂 (函館本線/千歳線) 2009 に続く- 参考文献はシリーズの最後に記載する)

写真は、苗穂構内での4列車<北斗星4号>。それの3往復定期運行の頃である。
これも札幌駅の高架化で可能になった画角だけれど、この位置に今は立てない。

[Data] NikonF4s+AiNikkor105mm/F1.8S 1/500sec@f8 Fuji SC56filter Tri-X(ISO320) Edit by CaptureOne5 on Mac.

(*1) 国鉄の事業用品が大半である
(*2) 他に桑園へは一般車扱い貨物の9割相当と石炭専用線扱いに用品庫関連特殊扱い、東札幌へ一般車扱い貨物の残り1割を移転とした。
(*3) 苗穂は、小樽、岩見沢、苫小牧の各方面間の貨車中継の要を担っており、隣接の東札幌間とは中継貨物が相当量存在した。
(*4) 上下の貨車仕訳線群が本線を挟んで南北に位置し、この間の貨車受渡等の運転線である。
(*5) 北海道鉄道によるガソリン動車の導入は、まさにこの1935年12月と記録される。
(*6) 1953年12月改正にて苗穂始発終着の千歳線旅客列車は消滅していた。
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/510-d54aa5b1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad