"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

細岡 (釧網本線) 1985

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新製時の朱色5号による単色塗色に復元されたキハ40が「国鉄色」車両として珍重されていると聞けば、それ以前の一般形気動車の標準塗色に永く親しんだ世代としては複雑な想いが在る。それが、ルーラル線区の経営計画とリンクした塗装工程の簡略化による経費削減を意図した塗色であり、財政問題や労使間対立など政治に翻弄された国鉄のモラル低下の時代に重なるからに他ならない。

一部で「首都圏色」とも呼ばれるこの単色塗色は、その名の通り1975年2月に大宮工場を出場した八王子機関区のキハ1061にて試験塗装されたのを嚆矢としている。当時に国鉄は、普通列車向け気動車のイメージアップが目的と説明し、相模線や八高線への運用にて利用者の反応を探った様子である。その結果がどのようなものであったかを知り得ないけれど、その頃に設計の進められていたキハ40とそれと基本設計を同一とする各形式への採用が決まり、稼働中の在来形式車にも順次施工が進められたのだった。
朱色4号に窓回りをクリーム4号とした塗色を見慣れていた眼には、なんとも味気なく見えたものだったが、利用者に強い拒否反応さえ無ければ善しとする既定方針だったのだろう。この新製車群が増備を終える1982年頃には、一般形気動車は朱色5号ばかりとなっていた。
もっとも、かつての国鉄車両は機関車にせよ、客車にせよ「日本国有鉄道車両塗色および表記方式基準規程」によれば単色塗色が基本であり、多色塗色は1950年の「湘南電車」以降(関西急電などの例外有り)のことであるから先祖帰りと云えぬでも無いと思い直しもするものの、どうにももどかしく眺めたのも確かであった。
さらに困ったことには、カラーフィルムに映える色かも知れないが、当時にモノクロで撮れば銀粒子を溶かし込んでアンダに落ちてしまい、プリントには手を焼かされた。

かつての国鉄標準塗色が辛うじて現在に生き延びたキハ52に再現されると、これがその塗色車が存在しなかったキハ40に及んで驚いた。過去の事例に準拠した塗り分けは、窓上のラインが前頭部でその高々運転台により段差の付いてしまうのは惜しいけれど、全般には好ましく、基本塗色に採用して欲しい程である。もちろん、国鉄制定色の制定塗料はとっくに失われて、近似に調合した朱色の色合いは微妙に異なる。
ぜひ、二重窓キハ40でもこの塗色を見てみたいもの、と書いて置く。

朱色5号の5両編成は627D、釧路行き。後追いである。
網走からの2両に標茶で前に3両を連結している。急行列車に限らず標津線運用の関連で長編成となるのが、この区間の魅力だった。単行列車ばかりとなってから、どうにも足の向かない所以でもある。

[Data] NikonF3P+AiNikkor105mm/F1.8S 1/250sec@f8 Fuji SC48 filter Tri-X(ISO320) Edit by CaptureOne5 & PhotoshopCS3 on Mac.

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コメント

タラコ色

タラコ色、首都圏だけかと安堵していたら、みるみる全国に広がったのには茫然としましたね。
不本意ではありますが、青春時代のほとんどはこの色と過ごすことになりました。
単一塗装で塗装工程簡略化ですが、二色塗装に対しどれ程簡略化されるのか怪しいもの。
いかにも官僚的な机上の計算の産物と思われます。
かくしてニッポンの四季にピッタリな塗装が失われたのは残念な限りです。

それにつけても最近のJR塗装の複雑さときたら。
国鉄当時と比べさらにコスト削減圧力は強いはずですがねえ。

  • 2013/10/27(日) 13:06:00 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: タラコ色

80年代は、どこへ行ってもこの色でしたからね。
なんとも色気の無い塗色でした。
この、心持ち暗めの朱色はグリーン系統と反射率がほぼ同じで、このカットのように
条件によっては、それと同じ濃度に再現されて困りました。
ここでは、ディジタルの力を借りて列車編成部分の濃度を少しだけ上げています。

単色塗色は2色以上に比べますと、大幅に工程が簡略化されるそうです。
近年の車両に見るブロックパタンやストライプ、イラスト等は、全て別のプリンタ出力を
単色ないし2色の塗色車体に張り込んでいますから、コスト的にも低廉に実現されているようです。
車体塗色とは別次元とも云えそうですね。

  • 2013/10/27(日) 22:46:10 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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