"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

新世橋前 (函館市交通局・宮前線) 1979

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2013年に100年の節目を迎えたと云う函館の市内電車である。それの歴史は1897年の亀函馬車鉄道に始まるゆえ、とっくに100年を経過と思えば、その後身-函館馬車鉄道の路線を函館水電が買収し、電化工事にて電気運転を開始しての100年とのこと。確かに車体への公式掲示には「路面電車100年」と在った。
全線が健在だった頃の各路線は、函館の街の造作そのままにそれぞれ特徴を持っていて楽しめたものだった。観光の核心地域を抜けた終点が信じられない程に殺風景だった本線のどつく前方面、対して広い道幅に雑然とした工場と住宅の混在した街並の続く五稜郭方面、急坂に趣の在る沿線の宝来・谷地頭線、郊外線の面影を残した湯の川線沿線と記憶する。
あまり特徴的では無かったのが、東雲線から湯の川線の堀川町あたりへ続く区間に、この宮前線だったのだが、路線はここで川を渡っていた。

陸繋島である函館山の、その砂嘴上に成立した函館旧市街地に川の流れの在ることには、不思議にも思ったものだった。横津山系袴腰岳の南斜面を水源とした亀田川である。
調べて見れば、かつては砂嘴手前を曲流して現万代町付近にて函館湾に注いでいたものを、1888年に東流する人工河道(掘割)を築造し大森浜へ流したものと知り納得した。函館市電の路線上に存在したのは、この通称-新川への架橋であった。
専用橋とは往かず道路併用なのは残念だけれど、街並の続く路面中央を往くばかりの中では変化を与えてくれるロケーションではある。現在も電車の通る湯の川線の昭和橋よりも撮り易かったものか、この新世橋にばかりに立っていた。
函館に暮らした訳では無いので、ここがどのような地区だったのか分からないままなのだが、瓦斯会社の工場と五稜郭の商業地が、僅か2キロ程の宮前線を介して隣接しているのには不思議な感覚を覚えたものだった。

500形電車は、この当時に製造の30両中の2両が失われていたけれど、新製・就役から約30年を経ても主力車両に違いなかった。3系統に運行中の512は1948年11月の新製出場、この後さら1991年まで12年を稼働して用途廃止とされた。1978年11月1日付での系統改正による3系統は、駒場車庫を起点にガス会社回りで函館ドック前を往復する系統であった。
新世橋西詰めから柳川町方向。背後で後に西武デパートの入居するビルやHBC函館放送局を建設中の敷地が1973年に廃止の梁川車庫の跡地である。その手前、函館トヨタカローラ販売は建物こそ建替えられているが、今もこの位置にある。

[Data] NikonF2A+AiNikkor28mm/F2.8 1/250sec@f8 Y48filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.

Website "カメラ 万年筆" Updateのお知らせ (2013-09-17)

久し振りで、Chronicle に記事を追加しました。
宗谷急行に1年半の間だけ存在した「グリーンシート」について書いています。
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コメント

亀田川の流路の変遷について捕捉を。
新川が掘られる前に亀田川から分岐する「願常寺川」と呼ばれる人工河川があり、生活用水として利用されていました。コレラの流行により埋められてしまい、新川に役目を譲ったのです。現在函館市内を縦断している通称「高砂通」がその願常寺川の名残。現在の末広町あたりで函館港に注いでいたようです。
 さて写真の新世橋ですが、1988年にかけ替えられました。工事中には下流側に仮橋がかけられ、市電もRのきつい仮橋を通行する珍しい光景が見られました。写真を撮っていなかったのが四半世紀経った今でも悔やまれます。

  • 2013/09/22(日) 19:03:53 |
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  • Poston #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

POSTON様、いつもありがとうございます。
「願常寺川」のことは函館市史などで承知しておりましたが、
市電橋梁に直接かかわらないゆえ省いてしまいました。ご指摘、恐縮に存じます。
現橋梁は架替られたものでしたか。存じませんでした。欄干などを補修・交換したものと思っておりました。
88年と言えば、本州から直接にやって来るようになった寝台特急に霧中の頃で、
何度も渡道しながら函館市内に降りることは有りませんでした。
私も、その仮線を往く姿は見てみたかったものです。

  • 2013/09/22(日) 23:54:34 |
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  • Wonder+Graphics #-
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