FC2ブログ

"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

姫川信号場 (函館本線) 1982

himekawa_04-Edit.jpg

常紋信号場 (石北本線) 1971 の続きである。

戦後に、公共企業体「日本国有鉄道」の発足に際して、国有鉄道建設規程は1949年5月31日運輸省令第15号にて日本国有鉄道建設規程として引き継がれる。従って「信号場」と「信号所」の並立は戦後も続いたのである。
前回記事の繰り返しになるけれど、ここ姫川のごとく列車交換や退避に用いられ、必然として場内/出発信号機の設置の有るのが「信号場」であり、上下の場内信号機の内方がその構内となる。
対して、1) 停車場間本線上で閉塞境界となる線路分岐点や、2) 停車場間の可動橋や他線との平面交差箇所、3) 通票または票券閉塞式施行停車場間を2個以上の閉塞区間に区分する地点などに設けられたのが「信号所」である。ここには列車の停車(停止ではない)の必要が無く、よって内方を掩護する閉塞信号機が設置されて構内が存在しない。
1) は前記事にも挙げた奥羽本線の滝内をはじめ例は多く、2) の代表的例に佐賀線の昇開橋-筑後川橋梁に存在した筑後川がある。3) の例も存在したであろうが把握していない。これにて、通票閉塞の単線区間でも同方向に複数列車を続行運転出来た。
この両者の混同/用語の誤用は、主に1) の存在に生ずるものであろう。そこに停車の必要があれば外観の同一の信号機が場内ないし出発信号機と呼ばれて、そこは信号場に区分されるのである。
このように建設規程上では明確に区分された「信号場」に「信号所」なのだが、当の国鉄においても運転取扱規程では信号所は信号場に含められていた。そこに信号機の存することは運転上変わりないからである。従って運転局の作成する列車運行図表には、法規上「信号所」にもかかわらず信号場と同一に表記されていた。
なお、信号所を英文表記でのSignal Cabin、駅構内などでの信号テコ扱所(の建物)を指すとする情報も在るが誤りで、国鉄ではこれを信号扱所と云っていた。

一方、国有鉄道以外の鉄道線、すなわち大手を含む多くの私設鉄道線では戦前戦後とも、1919年4月10日法律52号の地方鉄道法と同年8月13日閣令13号による地方鉄道建設規程に準拠して建設/開業している。それら法規に「信号場(所)」の直接定義条項は含まれないのだが、法の第15条、規程の第23条に停車場と並立して「信号所」との文言が在り、国有鉄道建設規程での信号場/信号所双方に相当する施設が信号所と解せられる。
1969年3月29日の帝都高速度交通営団東西線の西船橋までの延長開業時に、駅としての開業を保留された現在の妙典は下妙典信号所を名乗っていたし、箱根登山鉄道の出山/上大平台/仙人台はそれぞれ信号所であった。道内でも美唄鉄道に東美唄信号所が路線廃止まで存在していた。鉄道会社によっては、それを信号場と呼称していたことも在るのだが、あくまで法規上には「信号所」である。
この鉄道線上の同一機能の施設に対して、国鉄の「信号場/信号所」と私鉄の「信号所」の混在が混同/用語の誤用に一層の拍車をかけたとして良いだろう。

けれど、その並立時代も1987年4月1日に終わる。
国鉄の分割・民営化に際して、日本国有鉄道建設規程も地方鉄道建設規程も廃され、それは鉄道営業法第1条規定に基づいて定められた1987年3月2日運輸省令第14号普通鉄道構造規則に一本化され、そこには「信号場」と規定されたのである。したがって、現在鉄道路線上に「信号所」は存在しない。ほぼ全てが「信号場」である。
誤用の生ずる余地は無くなったはずなのだが、「ほぼ」と付したのには理由がある。極めて少数ながら、実は「信号所」が存続しているからだ。
(この項、内地版の 鵯島信号所 (富山地方鉄道・軌道線[呉羽線]) 1984 へさらに続く)

ここ姫川信号場も、1913年8月1日に信号所として設置されている。この開通10年後と云う早い時期は、R300曲線の連続する20パーミル勾配の宿野辺(現駒ヶ岳)-森間の13キロが、列車増に対して当時の非力な機関車には早くも隘路と化していたゆえであろう。
写真は、駒ヶ岳を背景に雨の信号場へ進入する6201D<すずらん1号>。
<すずらん>系統は、80年10月1日改正にて既に定期運転は消滅していたが、この当時でも季節2往復の他予定臨のスジで3往復の設定が在った。かつての長大編成は姿を消して最大でも5両組成と記憶する。そのスジは函館運転所に投入された14系客車での運転と共通使用にて、機関車牽引列車の速度定数で引かれていた。

[Data] NikonF3P+AiNikkor105mm/F1.8S 1/125sec@f5.6 Fuji SC48filter Tri-X(ISO320) Edit by CaptureOne5 on Mac.
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/407-925e0261
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)