"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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銀山 (函館本線) 1983

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余市川を10キロばかり遡った仁木町然別の集落は、それの平野へと流れ出る地峡部に在って標高は20メートル程である。ここからの余市川流域の谷は広く続いて、函館本線も引き続き水田と果樹園の中を進みつつ大江集落を対岸に見るあたりからその流れを離れて稲穂嶺裾野のなだらかな斜面に取り付いて往く。稲穂峠を越えて瀬戸瀬川/堀株川の流域へと出るためである。そして等高線を交わしながら高度を上げ、やがて施工基面高158M010の銀山駅に至る。そこは、谷底の銀山集落と標高差90メートルあまりの、開放的で見晴らしの良い駅なのである。道道を往く余市からのバスで向かえば、銀山駅下で降りて緩い坂道を上り詰めた先に駅は在る。そのロケーションに誘われて、ここへは季節を変えて幾度か降り立っていた。

北海道は全域がヒグマの生息域である。全道での生息数については、調査や推計毎に3000頭から1万3000頭と大差があり、正確なところは解らないらしい。
専門家が現況からそれを便宜的に5ないし6区に区分している内の、この地域を含む積丹半島から支笏湖を経て噴火湾へ至る「積丹・恵庭地域」と呼ばれる山域は、黒松内側と石狩側で人間の交通路と居住区により「渡島半島地域」と「天塩・増毛地域」に「日高・夕張地域」との交流域が断たれ個体群の孤立化が進行していると云う。それにより将来の絶滅が危惧されるとして環境省のレッドデータブックへの記載もなされている。

それでも相当数が暮らしているに違いはなく、この銀山は彼らに最接近した(と思われる)場所として記憶に鮮明である。鉄道線路からさして離れてはいない山域でも、そこに分け入れば樹木に刻まれた爪痕を目撃したし、糞も確認していたけれど、強烈な獣臭の中にまだ湯気の立つそれを見つけた時の恐怖は忘れられない。ほんの数分前、もっと短いかもしれないけれど、彼はそこに居たのである。フルヴォリュームのラジオに立ち去ったか、あるいは、まだ近くでこちらを警戒していたかも知れない。下半身の震えに後退もままならぬのだった。
以来、ここでも狩勝でも山に分け入れば、過敏と思える程に新しいツメ跡や小枝の折損に注意を払ったのは云うまでもない。撮影地点を決めての停滞にはラジオを流しておくのだが、谷間などで受信の悪ければ「熊鈴」を常に鳴らし続けねばならず難儀ではあった。

冬ならば彼らに出くわす不安は無いものの、深い積雪に線路際から離れることも叶わなかった。
写真は、然別方での104列車<ニセコ>である。
この重量感の在る列車を広角で撮ろうとすれば、こうなる。

[Data] NikonF3HP+AiNikkor28mm/F2.8 1/500sec@f5.6 O56 filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.

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