"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

厚岸 (根室本線) 1981

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今でこそ「お取り寄せ」で難なく手に入る厚岸の牡蠣だけれども、この当時も今も、それに東京都内/近郊のスーバーマーケットや鮮魚店でお目にかかることはまず無い。贔屓にしている魚屋に聞いてもらったところ、近年になって築地にも少量の入荷は在るらしいのだが、大半が飲食店向けに引き取られ市中の店頭に出回ることは無いと云う。
それは、この消費地までの輸送にかかわる距離からではない。圧倒的な松島湾や三陸方面に広島湾産に比しての生産量の差である。少々古いデータだが、2001年度の農林水産省の公表する漁業・養殖業生産統計年報によれば、都道府県別生牡蠣生産量は、広島県を筆頭に隣県岡山の瀬戸内海海域と宮城/岩手県の仙台湾/三陸海域にて全国比の91%を占め、北海道は2%に過ぎない。これとて道内で養殖牡蠣を生産する22漁協での合計である。

駅弁の「かきめし」でしか出会いの無い、それを食べに往くと決めたのは貧乏旅行にも多少の余裕の出来た頃のことだった。毎度のことで時刻表巻末の宿泊施設のペイジを開けば、厚岸の項には「五味旅館」と「ホテル金万」の2軒の記載が見て取れた。ホテルと名乗ってもそれは旅館だろうし、併記された一泊二食の料金にも大差はない。
双方に電話をして所在地を確認し、いつもなら駅に近い宿舎を優先するのだが、どうせならと厚岸湖の湖岸から遠く無い「金万」を選んだのだった。目的から夕食には牡蠣づくしを所望すれば、「通常の夕食がそうなっています」と返された。

この先は詳述しないけれど、その夜は、テープルに並ぶ牡蠣料理に酒は釧路の「福司」を堪能したものだった。
ただ、この頃は「美味いもの」を舌が自覚せぬ年齢ゆえ、実を云えばそれがいつもの牡蠣に比べどう美味いのかは、正直わからなかったのである。
後年に仕事で、あるアーティストのジャパンツアーに同行した際のこと、札幌公演後の夕食にホテルレストランの大きな丸テーブルに肩の高さ程に山と盛られたのは、地元プロモーターの好意による厚岸産の殻付き牡蠣であった。それを各人の好みに、その場でシェフが調理する趣向も面白かったが、生牡蠣のそれは実に重厚な味がしたものだった。

写真はその翌朝、厚岸湖岸の滝川起点359K甲号距離標付近での1491列車。
本来は、釧路機関区DE10の仕業なのだが、どうしたことかこの日はDD51がやって来た。
湖面の大きく広がる厚岸湖は、これが大潮時の満潮水位である。

[Data] NikonF3HP+AiNikkor28mm/f2.8S 1/500sec@f8 Y48filter Tri-X(ISO320) Edit by CaptureOne5 on Mac.
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