"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

石倉-落部 (函館本線) 1993

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それが何年に一度の間隔で行われていたものか知り得ないのだけれど、この区間の海岸段丘崖の熊笹やらの植生が一斉に刈り取られることがあった。頭部の赤く塗られて「工」マーク入りの境界標は段丘上の国道脇に埋められていたから、その斜面は鉄道用地である。国鉄の保線区所による列車走行空間保全の一環に違いないそれは、法面地盤の直接の状態確認のためなのだろうか。
それまで植生に覆われてしまって存在を知らなかったのだが、それの刈り取られると、ここには国道から線路へと降りる長いタラップが4箇所も設置されているのが見えた。ドライブインのあるところの少し落部寄りには斜降する通路も見て取れた。その少し前に深い笹や草を掻き分けて、比高20メートルばかりを登り降りしていたものだから、拍子抜けした覚えがある。
それで、地図上にそれらの位置をプロットし後年に利用を試みるも、それは再び植生に深く沈んでしまって所在を見つけられなかった。そんな状態であったから、果たして実際に保線業務に使われていたのかも疑問の通路ではある。
戦後の結成時から国鉄の労組と当局間には、職場の改善要求を提出する慣例があり、中には「宿直室に冷蔵庫を用意されたし」と云った項目も含まれたのだが、大半は作業の安全上の要求が並び、当局側も真摯に応じていたのである。このタラップも線路巡視の自動車利用が主となって必要と判断されたものであろう。結果的に無駄な設備にも思えるけれど、これの設置された頃の国鉄当局と組合との良好な関係を示す「遺跡」ではありそうだ。

写真は、第一落部トンネルを抜けて再び噴火湾岸に出た8002列車<トワイライトエクスプレス>。
この前年の7月半ば、傾いた西陽が段丘面に遮られてしまったゆえ→石倉-落部 (函館本線) 1992、夏至の時期を狙っての再訪だったけれど、やはりそれは列車通過直前に途切れてしまうのだった。海面からの反射光に些か救われる。

[Data] NikonF4s+AFNikkor180mm/F2.8ED 1/250sec@f5.6 Fuji SC48filter Tri-X(ISO320) Edit by PhptpshopLR3 on Mac.
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