"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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寿仮乗降場-新弥生仮乗降場 (天北線) 1985

kotobuki_01-Edit.jpg

夜の闇を衝いて走る列車は魅力的な被写体に違いない。
暮色や薄明ではなく、夜間である。構内照明の中での駅出発ではなく、駅間である。沿線でそれを待てば前照灯の描くサークルと客窓の灯りで列車は夜に浮かぶから撮れそうに見える。

但し、それには幾つかの条件を考慮せねばならないのは当然であった。
シャッタ速度とある程度の被写界深度の確保にはTri-Xをどこまでも増感すれば良いけれど、ISO12800は35mmフィルムには論外で、ISO6400でもどんな現像を試しても粒子の荒れが大きくてディテイルが崩れてしまうゆえ、この目的にはせいぜい3200が限界と知れた。
前照灯と客窓を写し込まねばならない画角決定も、それの強い光りによるハレーションを避けて俯瞰気味の位置を要し、見かけ上の動きの小さくなるよう列車の移動方向と光軸は浅く交差させねばならなかった。習作を繰返して理解するのだが、光源としての列車周囲の光景は単純であること、加えて前照灯の光束を明確化出来れば、それに越したことはない。この条件の一例には、積雪線区での降雪時があった。

写真は、激しく降り積む雪中に、第八頓別川橋梁(118M)付近で捉えた303列車<天北>。
このカテゴリでは結局のところ満足の往くカットは撮れずに終わっていて、これも習作である。
編成の存在を捉えるべくR400の曲線を選んだのだが、列車速度は70km/h以下に落ちているものの、フィルム上での見かけの動きは速くて1/60秒ではブレを生じてしまっている。窓明りも明確でない。

このカットから20年を経て、ディジタル撮影のもともと集光性の高い撮像素子と画像エンジンの性能向上はISO12800を常用感度域に含むに至り、それは銀塩の限界を軽々と越えている。夜間の走行写真は、もはや当たり前の撮影領域だろう。
コンテもある。アイデアもある。けれど、撮れる機材を手にした頃に、撮りたい列車はとっくに走り去った。そんなものである。

[Data] NikonF3P+AiNikkor105mm/F1.8S 1/60sec@f4 Non filter Tri-X(ISO3200) Edit by CaptureOne5 on Mac.
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コメント

凄いです・・・

こんにちは。

夜間撮影を駅では無く、走行中・・・。
銀塩の時代にそういう発想が出るだけでも凄いです。
日頃の研究と慎重な場面選びの賜物ですね。
光芒に浮かぶ雪だけで夜汽車の物語になっていますよ。
窓から漏れる明かりがもう少し、という気もしますが、
最新デジタル加工で何とかならないものでしょうか。

  • 2013/03/03(日) 12:23:24 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: 凄いです・・・

こんばんは。

恐縮します。
今ならなんてことは無い撮影にずいぶんと注力したものでした。
ただ、ディジタル機材をもってしても同様なのは置きピンです。
大抵は、この<天北>のように明るい内に現場に着き、全てのセッティングを済ませてから
日没を待つバターンで撮っていたのですが、中には深夜の列車も在って
それを夕方から待つ訳にも往きませんので、暗い現場でピントを持って行くのに困りました。
その位置まで出向いてフラッシュライトを置いて、それに合わせるとかしましたが、
積雪期には雪面を荒らしてしまうので、それも出来ず、やむなくサーチライトを持参したりしたものです。
レール面がちょっとでも光れば何とかなりますゆえ。

  • 2013/03/04(月) 00:02:23 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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