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"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

札幌 (函館本線) 1988

sapporo_04-Edit.jpg

手稲に暮らした頃、今の子供達もそうであるように、札幌駅は「汽車を眺めに行く」場所だった。
駅前通りはビル街になっていたけれど高層ビルは影も形も見えず、長い跨線橋を越えての北口は開かれて間もなく、その向こうには低い家並みの続くばかりだった頃である。
北側の構内には札幌客貨車区が健在で、検修庫に客留線が広がっていた。

駅を行き交うのは圧倒的に客車列車で、その先頭に立つのはC57にD51、10時過ぎと16時前には121・122列車でC62の姿も見られ、札沼線へと向かうC11や入換に忙しいC56も通り過ぎていた。けれど、実のところそれは余りに見慣れていて、興味はむしろ、優等列車に続々投入された気動車に向かい、<オホーツク・摩周・宗谷>や<はまなす・天北><紋別・羽幌>などのキハ56/27系列による長大編成が、全ての排気管から紫煙を高く吹き上げて猛然と加速して往く様を飽かずと眺めていたのだった。勿論白眉は、121・122のC62と相前後して入線して来るキハ80(82)系の<おおぞら><おおとり>で、乗降場に停車したその編成には一種の近寄り難さもあって存在感は別格であった。
ただ、東北線<はつかり>のキハ81を知っていたから、どうして北海道特急がそれでは無いのか、子供心には少々不満だった覚えがある。キハ82の優美さは、まだまだ理解出来ないのだ。
余談めくが、その停車時間は5分丁度であった。これは、ここで運転台の交換があるからでは無く、当時特急列車の主要駅での停車時分が5分だったのである。他の停車駅が30秒から長くても3分と云うなかで、<はつかり>の仙台も<つばめ>の広島も<白鳥>の金沢も同様であった。この5分とは、列車の格と駅の格を誇示するものだった訳である。

夏となれば、もう一つの楽しみがあった。この頃には旅行客の押し寄せる夏期輸送に対応すべく、本州方面の区所からの車両借入が常態であり、普段には見られぬ車に対面出来るのである。キロ28には、道内向けのキロ26と異なる優等車らしい大型の側窓に羨望し、軽量客車のナハ11にもその近代的で軽快な姿に大きく惹かれたのだった。

駅の高架化とは、いわば高架人工地盤への駅施設の全面移設であるから、同敷地の旧地上駅は全て失われる。
札幌を離れてからも渡道の度に札幌駅には必ず降り立つゆえ、変遷を経ながらも当時の面影を強く残す構内を見続けていたけれど、今はその痕跡を探すなど無理な話である。記憶の一部をもぎ取られたような気がしている。

写真は、降雨を衝いて地上駅時代の札幌に桑園方より入線する回2列車。札幌から<北斗星2号>となる編成である。
これの運転開始から高架1次開業の88年11月3日までの8ヶ月間、<北斗星>は地上駅に出入りしていた。乗降場有効長の関係で、それは到着も出発も3番ホームだったと記憶している。
旧札幌駅、最後の華であった。

旅客会社所属のDD51は空知運転区(旧岩見沢第二機関区)の配置で、ヘッドマークは駅に付属していたから、回送列車には取付けられていなかった。

[Data] NikonF3P+AiNikkorED180mm/F2.8S 1/125sec@f5.6 Fuji SC42filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.
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コメント

こんにちは。

いまの紀伊国屋とか
JRインのあるあたりなのでしょうかね。
昔の札幌駅は
青いビルと1番ホームが
かすかに記憶に残ります。

北斗星も25歳なんですね~

  • 2013/02/09(土) 13:43:24 |
  • URL |
  • An #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

Anさん、 こんにちは。
いつも、ご訪問ありがとうございます。

列車の通過中の踏切が西7丁目踏切(286K562M)、その手前が西6丁目踏切(286K691M)ですから、
ご推察どおりです。
左に少し見えるのがパークタワー駐車場なので、その手前に「JRイン札幌」が建ちました。
高架化工事開始前までは、手小荷物扱い線の在った位置です。
そして、列車はこのまま直進して函館線上り本線の3番線に入ります。
上り線ですが、ここが最長の488メートルの本線有効長を持っていたからです。
写真で列車のある位置は、現在の高架横の道路と云うことになります。

  • 2013/02/10(日) 11:47:35 |
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