"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

抜海-南稚内 (宗谷本線) 1985

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抜海から3キロ程の酪農地帯を抜けた宗谷本線は、クトネベツ原野に分け入り、急曲線を左右に回りながら起点250キロからの左曲線にて海岸段丘の縁に至り、ここをR302-R262-R302と500メートル程続く右回りの複合曲線で通過している。車窓に日本海が開け、海上に利尻島を見る区間である。
この曲線の終端近く、旭川起点251K096M地点が施工基面高-42Mでこの区間のサミットであり、両側には10パーミル勾配が続いている。
すなわち、ここの分水界は日本海岸に面した段丘崖上と云うことになる。実際に、ここの南側を水源とするクトネベツ川は抜海の北で日本海に注ぎ、東側から沁み出すエノシコマナイ川はオホーツク海に向かっている。規模はずっと小さいけれど、噴火湾岸の静狩峠を思わせる地形である。

鉄道屋には高名な定番撮影地なのだけれど、熊笹の深いことでも知られ、海側にせよ山側にせよ、付近の丘陵にポイントを求めようとすれば、身の丈を越えるそれを避け得ない。加えて、ハイマツの群落も点在して(それに鋭いトゲのある低木もある)行動をより困難にしているのである。ポイントを決めても、次には周囲をなぎ倒して視界を確保する必要もあって、カメラを設置するまでの作業量に辟易する。積雪期には、それの深くてラッセルしながらの登坂には労力を要したから、いずれにせよ鉄道屋泣かせの現場ではある。ここで難儀した諸兄も多いだろう。

写真は、この区間での302列車<宗谷>。251K096M地点は列車最後部の後方あたりになる。
不思議なことに、ここでの笹の丈は海側の丘の方が低いのである。この位置へは蒸機撮影時代の記憶を頼りに登り、事実そのとおりであった。線路を挟んで、それの育成に差異を生ずる条件差は分からない。

ところで、ここに建てられた「利尻富士」の標柱周囲は露頭になっている。かなり以前の写真を見ても、また現在もそうである。標柱を建てるだけの整地が、ここの植生にそれほどのダメージを与えたのだろうか。

[Data] NikonF3P+AiNikkor180mm/F2.8ED 1/500sec@f8 Fuji SC48filter Tri-X(ISO320) Edit by CaptureOne5 on Mac.
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コメント

熊笹

こんばんは。

昨夏の彼の地、熊笹との死闘を思い出しました。
海を入れた風景は誰でも撮るので、こういった熊笹の海を掻き分ける様な絵にしたかったんですよ。

でも無謀でした・・・。
冬は楽とも聞いていますが、やっばりキツイんでしょうかねえ。

  • 2013/02/02(土) 22:42:03 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: 熊笹

こんにちは。

この区間は、ここに限らずクマザサとの苦闘は覚悟せねばなりませんでした。
積雪期でも、寒冷地の水分の少ない雪質ゆえに内地向けの「かんじき」も効かないのです。
雪に埋まったササに絡んでしまい、むしろジャマなくらいでした。
結局、ふぅふぅ云いながらラッセルするしか無い。
雪の締まる3月頃と云う手はありますが、これとて積雪内部に植物熱による空洞が出来ていて、
これを踏み抜いてしまうと、腰まで埋まったりしたものです。
難儀なポイントに違い在りません。

  • 2013/02/04(月) 09:44:34 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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