"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

[番外編 1] 厚岸 (根室本線) 1979

093-06-Edit.jpg


本来の役目を終えた後にピークを迎えたもの。
「なぞなぞ」では無い。
汽車弁当。駅弁のことである。

最新のダイヤで、夜行を除いた在来線の最長距離運転特急は大阪-長野間の<しなの>だそうだ。営業キロで441.2キロ、5時間と少しの乗車だ。他に5時間を超える乗車時間の例は、鳥取-新山口間378.1キロの<おき>、それに道内の宗谷線/石北線特急のみ。全国でもこれしかない。
新幹線<のぞみ>も東京-博多が5時間運転だ。これが現在のところ1個列車に乗れる最長時間だろう。

函館-札幌が3時間、札幌-釧路も4時間とあっては、あえて駅弁を買い込んで乗るまでもなかろう。
79年当時には、稚内から函館まで12時間を要した急行<宗谷>や根室から函館まで通した<ニセコ3号>なども存在し、それで旅する人々に汽車弁当は必需品であったのだ。

駅弁がデパ弁などと呼ばれて久しいが、必需品でなくなってから、実に種類も内容も豊富なものへと変貌した。
いや、必需品でないからこその展開なのだろうか。
往年を知る身としては、もはや駅弁ではなく、コンビニのお弁当、あるいは料理屋の仕出し弁当の延長に過ぎない気がしている。
最近の傾向として、需要が減って販売の無くなった駅での復活が相次ぐ。道内で言えば、岩見沢や静内、富良野である。共通するのは、観光と連動した地域グルメと見て取れること。駅での販売量は少ないだろう。それは単にアリバイ作りにも思える。

ここ厚岸には、当時から美味しい駅弁があった。駅前右手に所在する氏家待合所謹製の「かきめし」に「さけめし」である。
ホームには早朝から夕方まで立ち売りの姿が見られた。
この氏家待合所は現在も盛業中で、むしろ全国のデパートでの実演販売でおなじみと思われる。
もはや現地需要のほとんどない駅弁屋の生き残りの好例であろうが、複雑な心境だ。
残念ながら、「さけめし」の製造は止めてしまったようだ。

列車は、釧路から到着した混合441列車。2両の座席車に荷物車郵便車の編成。
4両とも早朝に釧路到着の夜行<狩勝>から直通するもので、座席車はそのまま乗り通すことが出来た。
交換列車を待つホーム上の人々は、釧路への通勤客である。

[Data] NikonF3HP+AiNikkor35mm/F2 1/500sec@f5.6 Fuji SC42filter Tri-X(ISO320) Compiled by PhotoshopCS3 on Mac.

関連記事

コメント

氏家食堂さん、なつかしいです!

自分らがよく通っていたときには、
仕出しによく使うプラスチックケースに「さけめし」がはいっていました。
「かきめし」のほうが有名らしいのですが、切り身の大きさと飯の多さではダントツにおいしく、包装も簡素で安かったです。
「はもべん」もおいしかったのですが、量は少なかったです。立ち売り、今は思い出になってしまいました。
・・・はじめっち

あたいは「かきもなか」よりも駅で売っていた「かき饅頭」がおいしかったのだ。
うすいむらさきいろのアンが、甘いの抑えてあって、ふた箱は軽く食えたのだ。
・・・つるみん

  • 2016/01/17(日) 16:28:11 |
  • URL |
  • はじめっち #-
  • [ 編集 ]

Re: 氏家食堂さん、なつかしいです!

ずいぶんと以前の記事にコメントをありがとうございます。
氏家待合所は、いまや空疎となった駅前のプレハブの売店然と化していますが、この当時、待合所と云えば食堂でしたね、確かに。
私も「さけめし」の方が好みでした。貧乏旅行の頃ですから、贅沢品の駅弁ならコスパの高い方に軍配は上がります。
ところで、はも(=あなご)って根室海域で水揚げはあったのでしょうか。

  • 2016/01/22(金) 00:09:02 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

はもでなかったみたいです!

このような「いたずらくがき」にコメントくださりありがとうございます。

「はも弁当」ですが、
もうご存知だとは思いますが、
名前を「波も弁当」といって、
ハモではなく、どうやらクロアナゴらしいでした。
もともと季節ものだったらしいのですが、漁獲高が減ってしまい、10年位前に姿を消したそうです。
「かきまんじゅう」はすいません、手がかりなしです。
不確かな情報、失礼しました。

  • 2016/01/25(月) 13:43:49 |
  • URL |
  • みならいかのん(代) #-
  • [ 編集 ]

Re: はもでなかったみたいです!

こんばんは。
私も道内育ちですので、ハモをずうっとハモだと思っていた口です。
そのことは、ずいぶんと前の記事「 東室蘭 (室蘭本線) 1995」に書きましたが、ずいぶんと後になってから関西の鱧を知り、これはどう考えてもハモじゃない、と思ったものです。ハモが内地ではどうやら穴子を指すらしいと知るのは、もう少し時間がかかりました。

  • 2016/01/28(木) 22:53:26 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/30-8d1e7c9e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad