"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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広内信号場-西新得信号場 (根室本線) 1977

hirouchi_02-Edit.jpg

街中のマンション住いで、ひと夏蚊の一匹も見かけぬのだが、蜘蛛は同居している。油断すると天井の隅や書架の裏側に小さな蜘蛛の巣を架けられてしまう。室内ゆえ、それでエサの捕獲出来るはずもなかろうと思うのだが本能なのだろう。それが架けられるのだから棲息しているに違いないけれど、その個体を見ることは滅多に無い。部屋の壁を散歩しているのに遭遇したのは一度きりだし、夏の朝にベランダのサッシを開けるとそそくさとその隙き間に逃げ込むのを何度か目撃したくらいだ。
越冬している様子は無く、代々棲息している訳でもなさそうだから、それは時期になると飛来しているとしか思えない。
そう、小型の蜘蛛は糸を出して、それで気流に乗って旅するのである。

その大群での飛翔に二度ばかり出会ったことがある。一度は、陸羽東線の宮城/山形県境で、もう一度は北海道狩勝でのことだった。
8月も終わりの狩勝は晩夏と秋の交錯する季節で、午後の突然の驟雨の後にそれは始まった。衣服に細い糸が降り始めて、自分の身長より高い空中に異変の起きていることは感じられたけれど、空を背景にする限り何も分からなかった。振り返って樹林帯の手前に見てみれば、弱い光に反射しながら浮遊する無数の糸があって、その先端には小さな粒が見えた。そのひとつひとつが蜘蛛と気がつくには多少の時間を要したものだった。

彼らの生態には疎くて、せいぜい昆虫の仲間でないことを知っているくらいだ。それが、このようにして空中を移動するなど、この時に初めて知ったのだった。
越冬地を求めての移動だったのか、ある方向の、ある風速の風を感じて一斉に飛び立ったのだろう。その光景にはしばし見蕩れていた。

狩勝新線の建設以前からこの地に開かれていた種畜牧場は広大で、ここでのポイント間の移動にはひたすら歩くことになる。この日は広内信号場の上り方から通称-東山の林道への移動に手間取り、421列車を、東山からの俯瞰を予定していたはずの谷間川陸橋下で迎えることになってしまった。

この当時の421列車は、滝川を5時台に出て釧路まで9時間あまりをかけて走っていた。現在のダイヤで、このスジは帯広で乗換えとなる2421Dから2423Dに引き継がれているが、その所要時分は7時間7分となっている。これは偏に荷物扱いによる停車時間の差分である。

蜘蛛の飛翔を目撃するのは、この後林道の入口あたりでのことだ。

[Data] NikonF2A+AiNikkor28mm/F2.8 1/250sec@f8 Y52filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.

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コメント

こんばんは。

テントウ虫といい、蜘蛛といい、北海道の生物はワイルドですねえ。
虫は苦手な方なので、その場に遭遇したら一目散に逃げていたと思いますが。
狩勝、長く憧れていましたが、一度も撮っていません。
徒歩撮影では埒があかない感じで、恐れ多い所でした。

  • 2012/07/05(木) 01:02:25 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんばんは。

狩勝は歩きましたよ。
新得の駅からは、さすがにタクシーを使いましたけど、
オダッシュ山の前山から東山の林道とか南山の林道とか、
ひたすら歩くばかりで。
しかも、熊鈴鳴らしながらなので、腕も疲れてしまい・・・・。

  • 2012/07/06(金) 02:03:25 |
  • URL |
  • wondergraphics #-
  • [ 編集 ]

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