"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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仁山信号場-大沼 (函館本線) 1983

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戦後、本州-北海道間の輸送量は旅客/貨物ともに増大を続け、近い将来にその列車回数は単線の線路容量を上回ることが予測されていた。これに対して、国鉄当局は函館/室蘭線ルートの線増計画を策定し、その喉元に在って20パーミルの片勾配にて補機を要していた渡島大野-軍川(後の大沼)間については、勾配を10パーミルに抑えた下り列車専用線の建設による線増とされ、この増設線上に'新峠下トンネル'の設置が予定されていた。後に藤城線(通称)として七飯-大沼間に開通する線路である。

この頃、北海道鉄道による建設から50年余りを経た'峠下トンネル'は老朽化が激しく、前記増設線の'新峠下トンネル'を先行して掘削し、現在線を暫定的にこれを通すことが計画された。
同トンネルは1956年12月15日に開通し、現在線の'滝ノ沢トンネル'出口近傍にあたる函館桟橋起点22K700Mより3.1kmを新峠下トンネル経由線に切換え、全列車をこちらで運転した。軍川側での切替地点は、現況で上り線が10パーミルで登り始める地点よりやや大沼側の桟橋起点25K800M付近になる。

一方、'峠下トンネルは'、その後に改築と改修工事が行われ、放棄した旧線路盤を復活させて上り線として使うことで、これと新峠下トンネル線との接続点(前記22K700M地点)に熊の湯信号場をおいて以北軍川との区間を複線運転とした。1962年7月25日のことであった。これに際して、軍川の手前1.5kmの区間は既設線の東側へ腹付線増し、これを上り線に使用した。
この1.5km区間の起点は前述の桟橋起点25K800M付近に一致し、ここで'新峠下トンネル'経由の下り線→既設線/腹付線増の上り線→復活線との接続が行われたはずだが、これにて接続地点に残るであろうクランク状の線形が現況には見られない。ここより下り寄りのR500曲線位置での接続としたのだろうか。
1903年6月28日開業と記録される、北海道鉄道の手になるこの小沼畔区間の建設は、その一部が湖中への築堤構築によるものであった。(*)戦前の絵はがき等にて、現在の道道338号線側にも湖水が広がっているのを見て取れる。複線化は築堤に沿って石材を投下しこれを拡幅したもので、開通直後の写真からは同時に道路用地も造成したように見える。

これより以前、この区間にはアジア太平洋戦争末期の陸運転換に対応して1943年9月30日に小沼信号場が置かれたことがある。その位置は、仁山信号場から4km、軍川まで2.1kmとの距離から判断して峠下トンネル出口付近のレヴェル区間と思われる。戦後まもなくの1948年7月の廃止につき痕跡は無いに等しいのだけれど、トンネル近傍にそれらしき空間は在った。

1966年9月30日の藤城線の開通に際しては、熊の湯信号場から'新峠下トンネル'への接続線を廃して、以降現況での線路使用となっている。
その路盤跡は80年代始め頃までなら仁山回り線の車窓から確認が出来たけれど、今では国道の新道建設工事などを経て判然としなくなっている。けれども最新の衛星写真でもそのルートを追跡可能で、なんらかの痕跡は残されているものと思う。探索にはあまりに短い区間ゆえか、その廃線跡レポート記事は見かけない。
七飯-大沼 (函館本線) 1981のカットで、機関車位置右に見える草地がそこに達していた接続線の路盤跡である。

(*)戦前の絵はがき - 実見したものはどれも、この湖中への築堤区間を「セバット」と解説している。
「セバット」とは「迫渡」で、小沼と大沼の接続部を指すものではないのか。この当時、ここも「セバット」と呼ばれたものか、寡聞にして承知していない。


写真は、雨天下に'峠下トンネル'へと向かう24D<北斗4号>。
列車後方、上り線が樹木に隠されたあたりから俯瞰位置直下あたりまでが、かつての小沼信号場の場内と推定される。無駄に外へ膨らんだように見える曲線は当時からなのだろうか。狭い用地で有効長を稼ぐ手だてと思えぬでもない。
今は、ここを道道338号線の跨線橋が越えている。

*参考文献 - 『北海道鉄道百年史』各巻 1976-1981 国鉄北海道総局

[Data] NikonF3HP+Ainikkor105mm/F1.8 1/500sec@ f5.6 Non filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.
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