"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

張碓-銭函 (函館本線) 1984

hariusu-Edit.jpg

それの試験線区とされた函館本線の銭函-手稲間の電化工事が完成し、札幌運転区に回着したばかりのED75 501による試験運転の開始は、1966年11月15日と記録されている。それは、当時の新聞等でも事前に報じられる程のイヴェントではあったが、平日とあっては沿線に繰り出せるものではなかった。
しかし、毎日行われた走行ゆえ後日見かけたそれは、測定機器を積んでいたあろうスハフ32にワムにトラ等の貨物車、そして最後位に有火のC57を繋いだ珍妙な編成であったのを思い出す。蒸機は牽引試験の荷重であり、また異常時の起動用であったのだろう。

茨城県の常磐線沿線に祖父祖母が住んでいた関係で、夏休みの帰省の際など、そこを走るEF80を眺めていた身には電機は珍しいものではなく、道内のそれがEF80より小型なのが不満だった覚えが在る。これの記録は、いつも持ち歩いていたリコーのオートハーフによる出来の悪いカットしかない。

ED75 500番台は、新採用であった主シリコン制御整流器による連続位相制御の誘導障害が大きく、これに替えて変圧器無電弧タップ切換器によるタップ間電圧連続制御として磁気増幅器のみをシリコン整流器としたED76 500番台が量産されることとなった。
門司機関区に配置のED76基本番台とは、蒸気発生装置の搭載と中間台車の装備は共通だが、制御機器や方式、車体の寸法に形態も異なり、別形式と言って良い存在である。

1968年8月28日の小樽-滝川間電機運転開始に際して、67年度第二次債務計画により東芝と三菱にて落成の9両が岩見沢機関区(*1)に配置され、翌69年にも同年10月10日の滝川-新旭川間の電化開業に対応して、さらに13両が増備された。これが、この機関車の全てとなった。

これらが投入当初どのように使用されたものか、手元に運用表は持たないのだが、当時札幌鉄道管理局列車課から頂戴した70年10月1日改正の函館本線列車運行図表を読むと、列車線の横に(EL)や(DL)との表記が見られる。表記の無いのは蒸機牽引である。
それによると、ED76は旅客列車から一般貨物、運炭列車まで万遍無く仕業に着き、この当時の電化区間は電機、蒸機に内燃機と入り乱れて運転されていたのが見て取れる。この頃までは、電化区間で完結する貨物列車も多かったし、非電化区間からの列車もその接続駅でED76へまめに機関車交換を行っている。つまりは積極的に使用する姿勢と読める。
特に、旅客列車はごく一部にD51とDD51牽引が残るものの、そのほとんどを引いており、夜行<狩勝>を除く(*2)急行列車も勿論である。
小樽-札幌間と区間の短いながら<ていね>〜<ニセコ>は、その投入から同列車の廃止となる86年11月改正時点まで律儀にもED76の牽引であり、札幌-旭川間となる<利尻><大雪>も80年10月改正でDD51による通し運用とされるものの、82年11月改正にて下り<大雪>/上り<利尻>に復帰し、90年3月10日改正にてその地位を去るまで急客機であった。
85年3月改正で客車化の<宗谷><天北>は例外で、これは88年11月の再気動車化までDD51の仕業であった。

この電機の不幸は、1964年に国鉄北海道支社に作られた電化計画委員会が立案した電化計画の内、80年10月開業とされた第二期分の室蘭/千歳線からの沼ノ端-岩見沢間の見送り、84年2月改正でのヤード系輸送全廃による貨物列車の大幅削減にあるだろう。
この区間の電化が実現していれば、旭川方面と苫小牧/室蘭間の多くの貨物列車に充当されたものと推定され、札幌近郊の通勤通学列車に、ほぼ客車と一体運用されるような晩年とは、異なる結末を迎えた可能性が高い。残念なことである。

(*1) - 岩見沢操車場の一角に設けられた電機検修の分区を指す。岩見沢第二機関区としての正式の発足は68年11月27日である
(*2) - <狩勝>の牽引は終始釧路機関区のDD51に依っていた。

写真は、恵比寿岩付近の海沿い区間での121列車。この年2月の改正にて旭川行きを札幌に改めていた。小樽築港からがED76の牽引だ。
撮影は、良く知られた西春香バス停留所付近の民家脇の俯瞰ポイントである。ここへは90年を最期に行っていない。今でも俯瞰は可能なのだろうか。その後にリゾートホテルの敷地となったと聞くが、グーグルのストリートヴューで見る限り、この位置ではない気がしている。
もっとも、721/731系の電車列車ばかりでは、どうにも食指が動かないのだ。

[Data] NikonF3P+AiNikkor105mm/F1.8 1/500sec@f8 FujiSC44filter TRi-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.

関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://northernrailways.blog.fc2.com/tb.php/145-c0357255
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad