"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

八雲 (函館本線) 1971

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Tri-X pan フィルムのこと、そしてコニドールファインのことを書かねばならない。

はじまりは、ご多分に漏れず富士フィルムのNeopanSSである。この頃のNeopanSSは赤に感色性を置いたスーパーパンクロマティックで、小西六の KonipanUSSはパンクロマテイックだったけれど、赤外線領域に至る感色性での遠景描写から選択していた。もっとも、それをはっきりと認識していた訳でなく写真雑誌の受け売りである。
けれど、すぐに1/500秒では絞り開放ばかりで被写界深度の取れないと分かり、感度ASA200のNeopanSSSと併用するようになった。
これを、親父から譲り受けた*玄光社刊行の‘最新写真処方集’を参考書に、コダック社の普通微粒子現像液D-76を自家調合し、パターソンタンクで処理していた。
SS、SSSともに実効感度は低めと感ぜられ、22℃現像で、SSでは4分30秒、SSSなら6分を標準にしていた。
液温の22℃を選択したのは、温水=湯による液温調節が夏期の氷ないし冷水によるものより容易かったに他ならない。
偉そうなことを言っても、この当時の現像技術は未熟もいいところで、現像が行き過ぎて粒子を荒らしていたり、撹拌の過不足により現像ムラを生じたりしている。ただ、「水洗だけは確実に行え」との教えを忠実に守ったためか、40年余りを経た現在でも変色もなく健全なネガである。

この頃既にTri-Xは、幾度かの改良を経てKodak Tri-X pan Filmとして感度ASA400を実現して販売されていたけれど、それは国産フィルムに比して大変高価で、先輩諸氏は100フィートの長巻をディロールで使用済みパトローネに装填して使うと聞いていた。なにより、当時の札幌のカメラ店では、夜間専用の特殊フィルム扱いで店頭に在庫されず特注商品であった。

それでも、鉄道と言う高速で移動する動体の撮影で、なおかつ絞り込みたいと希望する身にあってはASA400の感度は魅力であり、内地に移り住んだ1971年に、*新宿東口に在ったサクラ屋カメラで36枚撮り個包装400円(だったと思う。記憶は定かでない。国産のSS級は100円程度)を見つけて1本だけ買い込み、その夏の道内撮影で使った。

前置きが長くなり過ぎた。この項は続ける。

*玄光社刊行の‘最新写真処方集’-奥付に昭和27年1月25日初版発行とある。玄光社は、コマーシャルフォトなど写真関係刊行物の版元として現存する。
*新宿東口に在ったサクラ屋カメラ-後の「カメラのさくらや」新宿1号店である。価格競争に破れ2010年2月28日をもって惜しくも閉店。

写真は、Kodak Tri-X pan Film 最初のロールからのカットである。
夏の強い光線に助けられてではあるけれど、1/500秒でf11まで絞り込めて135mmレンズながら編成後部までを深度内に収めることが出来た。ブリントを上げて、さすがに感度400と感激した覚えが在る。現像はへたくその一言。

列車は1354列車。レム車を連ねた編成は桑園始発の本州への鮮魚列車であった。伊達紋別の側線がレムで埋め尽くされていたのを思い出す。

[Data] NikonF+AutoNikkor135mm/F2.8 1/500sec@f11 Y48filter Tri-X(ISO400) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.
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