"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

森 (函館本線) 1988

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モノクロ撮影を止めてしまう1996年までの30数年間に、それで鉄道を記録したカットの全てをディジタルデータ化してある。
ある時は集中し、或る時は数ヶ月放っておいたりの作業で、2000年から始めて2007年でやっと終えた。
スキャナは、当初には仕事用に導入したデンマークのImacon社製(*1)のFlexTight Precision を用いていたが、ソフトウェアのアップデイトに対するマシンの限界もあり、なによりその走査速度のあまりにも遅くて、懇意にしていた会社からの中古放出を聞きつけてKodak社のHR universal Scannerに切替えた。
この極めてアメリカ的発想の、原盤をフィルムゲートに挟み込んで中空に保持してのスキャン方式は、35ミリを70MB(RGBでのピクセル容量)で60秒程と云う驚くべき高速を実現していて、作業性の向上に貢献してくれたのだけれど、この方式はロールフィルムのカーリングの強いストリップに対しては平面性の保持が困難で、特にその端のフレームにコマ間の余裕がなければ、そこをトリムせざるを得ない等の問題も在り、さらには結構な価格設定の年間サポート契約も必要とあって、数年で廃止してしまった。(余談だが、これのソフトウェアはWindows版しか用意されず、Windows機を使ったのはこれが最初で最後である)
そして代替には、それこそ乗用車一台の買えるカナダのCreo社製(*2) EverSmart Supreme を導入した。もちろん仕事用だからこその設備ではある。フラットベッド方式にて32bitが可能で最大解像度11400dpiのスキャニングは、8×10判に4×5判やブラウニーフィルムに威力を発揮するものの、実を云えば35ミリには過大であった。その粒子、正確には粒子のスキマまでも明瞭に読み取ってしまうのである。Tri-Xフィルムは、それを粒子で語らせるような使い方をして来たから、なおさらに思え、結局は16bitにて解像度を原寸で4000〜6000dpi程度にして使っていた。それでも容量の90MBは、8bitRGBとすれば135MBであり、出力解像度200dpiに設定のラムダ出力機なら全倍にノートリで焼けるサイズである。

ところで、これらの高性能機にも共通の問題が存在していた。フィルムをルーペで覘けば確認出来る微妙なグラデーションまでは拾ってくれぬのである。単純にダイナミックレンジがまだ性能的に不足とすべきか、或は銀塩フィルムがスキャニングされるなど考えもしない時代の製品ゆえ、当然その特性など考慮されていないとするか、判断には至っていない。
仕方なく、ハイライト側とシャドウ側にそれぞれ合わせたスキャニングをして、それをPhotoshopで合成するHDR画像作成類似の手法で回避していた。
引き伸し機の光源には反応するグラデーションであり、1世紀の歴史を持つ銀塩記録システムの性能を再認識させられたものである。

さて、全紙程度の焼きであれば、8bitRGBで60MBなら過ぎる程ゆえ民生機でいくらでも対応である。加えて、35ミリから645判ほどでは画質に業務用機との差異はほとんど無く、それは要らないと言うのが今のところの結論である。あまり市場に無いEverSmart Supremeの中古は高額で引き取られ、ニコン社製スキャナの最終モデルとなったSUPER COOLSCAN 9000 ED を手元に残した。これで十分と云う気がしている。

(*1) - 現在はカナダのShriro Groupが買収してHasselblad社のブランドになっている
(*2) - 現在はKodak社が買収、その傘下となっている

写真は、森下り方の海沿い区間での5161列車。萩野/苫小牧への紙製品輸送ワム車の返空回送列車であった。
ここでは一番好きな画角なのだけれど、Tri-X に記録の、このような空に雲のグラデーションがスキャナは苦手である。

[Data] NikonF4s+AiNikkor50mm/F1.4 1/250sec@f5.6 Fuji SC56filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopCS3 on Mac.
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