"Monochromeの北海道 1966-1996" そして Ektachromeの頃

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中丿沢 (函館本線) 1999

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中丿沢停車場は、そこに北海道鉄道(初代)線の開通した翌年に「紋別」の停車場名にて開設されている。その1904年10月15日には熱郛から小沢までの開通により函館-小樽中央(現小樽)間が全通し、さらに翌年には小樽(現南小樽)への延伸にて北海道炭礦鉄道との接続が予定されていたから、将来の列車本数増には長い駅間に交換設備を要して国縫-長万部間9.5キロのほぼ中間が選ばれたものであろう。おそらくは計画当初より既定だったと思われ、大沼(軍川を経て現大沼)-宿野辺(現駒ケ岳)間14.1キロに置かれた赤井川も同日に開かれている。
先住民族が普遍的に静なる川を指したmo-petに由来するモンペツ(モンベツ)の地名は道内の各所に存在し、ここでも今にも名を残す紋別川が河口に発達した砂州に流れを遮られ、延長の短い河川だけに中流に至るまで緩やかな水面を見せていたのだろう。その河口周辺には先住民のmo-petコタンが立地し、1809年とされる「蝦夷渡海記」にはモンヘツの名で11戸65人が居住と記されている。これは同記録によるオシャマンベの87人、ユウラッフの67人に次いで、噴火湾西岸では大きな集落だったと云えよう。やがては和人の混住も進んで紋別が当て字され、薩長政権下で胆振国山越郡長万部村の字名となったのである。
障害物の無い地形に国縫-長万部間のほぼ中間地点が選定された停車場が、その名称に紋別を採ったのは、それが最も至近の集落だったゆえであろう。以後、道内の鉄道線上に幾つかが現れる「紋別・門別」の最初の事例であった。
それの中丿沢(当初には中丿澤)への改称は、それらとの重複回避かと思えば、二例目である名寄本線紋別の開駅に7年を先立つ1914年10月1日付には、鐵道院側の事情では無さそうだ。
1938年に鉄道省札幌鉄道局が編纂した「駅名の起源」には、紋別川と和類川の間で「澤」を成しているゆえの付名とある。現在と川筋は若干異なろうが、中の川か中の沢川もしくはその中間の無名の水流を指してのことと思われ、確かに前記河川に比すれば細い流れである。停車場の開かれて10年も経過すれば周辺に集落も発達して、それが中丿澤部落と呼ばれたのである。改称はそれに合わせてのことになる。中丿澤只中の「紋別」では具合の悪かろうと云うものだろう。
やや時代が下るけれど、1925年発行の渡島支庁管内町村勢要覧には、当時の長万部村に4社が所在の株式会社組織の内、製材業の北海林工、澱粉を用いた製飴業の北海道製飴の2社が中の澤に立地とある。自前の駅名を名乗るほどの駅勢は確かに存在したのである。

中丿沢の旧場内を下る9051列車。
[外伝]にも書いたように、飽かずに幾度も通った林立道路踏切からのカットである。けれど、この90年代半ばからの数年間には上下線間にススキが繁茂してしまい撮れなくなっていた。せめてと春先に訪れるも、二年続きで降雪に見舞われれば、枯れススキも花の賑わいと思うしかない。

ところで、林立道路踏切は中丿沢から長万部への新道が開通するまで国道5号線上の踏切道であり、現在よりもやや下り方に所在していた。今でも、長万部三八飯店敷地北側に国道から分岐して踏切へ向かう当時の道筋の痕跡が衛星写真に見て取れる。

[Data] NikonF5+AiNikkorED300mm/F2.8S 1/250sec@f8 NONfilter Ektachrome Professional E100SW [ISO160 / 0.5EV push] Edit by PhotoshopCC on Mac.


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コメント

「小さい川」よりも『静なる川」のほうがいいのかもしれないす

「北海道 駅名の起源」という本を読み返してみました
確かに時系列にみて、「北見紋別」に遠慮して名前を譲ったのではないでした。
少なくても、ここがここが「紋別駅名発祥の地」とは気が付きませんでした。
ありがとうございました。
・・・はじめっち

むずかしいことはわからないけど、
中ノ沢には「わるいかわ」というのがあって、
苦手な漢字を当てはめると、「和類川」になっていたのだ。
きっと「アイヌ語」だと思って調べたら、
「魚も資源も何もとれない川だから『悪い川』」とかいう
名前がついてしまったのだそうなのだ。
そういう川の支流(紋別)が駅名になってしまうのが
なんともおもしろいのだ。
・・・つるみん

mo-petを和訳するときに、
「小さい川」「静かな川」2つの訳し方の違いで
だいぶ意味合いが違ってきます。
それがまたおもしろいのですが、
現地に赴いて、川の形や地形を見て判断しなきゃとはいつも思っています。
「ものを視る」能力なんてないのですが。
・・・みならいかのん


  • 2016/09/22(木) 14:16:23 |
  • URL |
  • はじめっち&つるみん&みならいかのん #-
  • [ 編集 ]

Re: 「小さい川」よりも『静なる川」のほうがいいのかもしれないす

ご返事遅れまして、申し訳ございません。

mo-petには、静穏な川、転じて土地と言う概念も併せ持つらしく、疫病などが流行しなかった(影響を受けなかった)土地・村の意味もあるようです。本文では「川」説としましたが、ここの紋別がどちらを語源とするかは研究者でも分かれると聞きます。

アイヌ語の「悪い」はwen。ワルイ川の名は確かにニホン語に聞こえます。和名と云うより、かなり古い時代に日本語から移植されたアイヌ語かも知れません。ポンワルイ川はその複合名称??

  • 2016/09/28(水) 23:59:18 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

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